p過程
読み:ピーかてい
外語:p-process

 元素合成の過程の一つで、超新星爆発の際に生じると仮定されているもの。
目次

概要
 より重い原子核核融合で作ることができず、これらはs過程r過程などで中性子捕獲により作られている。
 しかしこの宇宙には、陽子過剰核、つまりs過程やr過程で作られるよりも陽子の多い原子核(原子番号の大きい元素)が少なからず見られ、この起源を説明するために陽子(proton)に富んだ過程の存在が予想されている。

特徴
 p過程そのものは、他の過程で作られた元素の光分解、あるいは原子核から中性子をはじき出したり、中性子を陽子に変化させたりするものと考えられる。
 超新星爆発過程、特に重力崩壊を伴うII型超新星において、重力崩壊で中性子の密度が高まるがニュートリノも大量に放出され、これによって弱い相互作用により中性子陽子に変化する。この変化は、p過程に必要な条件を満たすために良い反応と考えられている。
 しかしこれでも説明できない陽子過剰核が多数(例えば92Mo、94Mo、あるいは96Ru、98Ru)あり、これらを説明するためにさらにrp過程(速い陽子捕獲過程)が発案された。

再検索