rp過程
読み:アーピーかてい
外語:rp-process

 元素合成の過程の一つで、陽子捕獲とβ崩壊による陽子過剰核合成の反応。速い陽子捕獲過程。
目次

概要
 s過程r過程といった中性子捕獲による元素合成はよく知られるが、それでは説明のできない核種が多数あることも知られる。
 幾つかについては、陽子(proton)に富んだ過程「p過程」を想定することで説明ができたが、p過程でも説明できない陽子過剰核が多数(例えば92Mo、94Mo、あるいは96Ru、98Ru)あり、これらを説明するためにrp過程(速い陽子捕獲過程)が発案された。

特徴

反応
 s過程に対するr過程のように、rp過程はp過程に対してより素早く反応する過程を意味する。
 まだ未解明ではあるが、作られた核種がβ+崩壊するより前に陽子捕獲で陽子数を増やし、その後β+崩壊することで陽子数が減り、中性子数の多い原子核が作られる経路などが想定される。

ニュートリノ誘起rp過程
 ニュートリノ捕獲による中性子放出を合わせた過程も想定されている。
 p+ +  ̄(ν)e → n + e+

発生現場
 rp過程は、高温(〜109K)かつ高密度(〜106g cm−3)において生じ、水素燃焼が爆発的に進行する。
 この反応が生じうる場所として想定されているのは中性子星で、より具体的にはI型X線バーストである。
 また、まだ理論上の天体に過ぎないためこれは理論上の話になるが、ソーン・ジトコフ天体でもrp過程は生じる可能性がある。赤色巨星赤色超巨星の中心に中性子星が飲み込まれるとなると、恒星の持つ膨大な量の水素がまるごと中性子星に燃料として供給されることになり、ここで核融合反応が爆発的に進行することが予想される。

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