緑膿菌
読み:りょくのうきん
外語:Pseudomonas aeruginosa
自然界に広く分布する。人間の常在菌だが、人間に対して病原性を有する。BSL-1(バイオセーフティーレベル1)に分類される。
情報
分類
- ドメイン: 真正細菌 Bacteria
- 界: 真正細菌界 Bacteria
- 亜界: ネジバクテリア亜界 Negibacteria
- 下界: グリコバクテリア下界 Glycobacteria
- 門: プロテオバクテリア門 Proteobacteria
- 綱: ガンマプロテオバクテリア綱 Gammaproteobacteria
- 目: シュードモナス目 Pseudomonadales
- 科: シュードモナス科 Pseudomonadaceae
- 属: シュードモナス属 Pseudomonas
- 種: 緑膿菌 aeruginosa
真正細菌ドメインには真正細菌界しかないので、界は略されることが多い。
生態
芽胞を形成しない好気性菌(偏性好気性菌)で、グラム陰性桿菌。
土壌内、淡水中、海水中など自然界の至る所に分布するが、湿潤な場所を好む。また偏性好気性菌であり、発酵をせず呼吸によってエネルギーを得ているため酸素が必須で、酸素なしでは生息できない。つまり特殊な物質があるなど特殊な環境を要せず生息できるため、増殖しやすい。
特徴
感染症
感染しても発病するとは限らず、通常は日和見感染となる。
ヒトや動物の腸管内の常在菌でもあり、ヒトでは10%から30%程度の率で感染しているとされる。
しかし免疫力の低下した人や老人などに感染すると、難治性の感染症を引き起こし、時に敗血症で死亡することがある。院内感染菌としても問題となっている。
抗生物質
ペニシリン系、セフェム系、テトラサイクリン系、マクロライド系の抗生物質などに耐性を示すため抗生物質が効きにくく、治療は難しい部類に入る。
ニューキノロン系やアミノグルコシド系、カルバペネム系などのβ-ラクタム剤が効果を示すことが多いが、中にはこれらに耐性を示す菌がおり、これは多剤耐性緑膿菌として恐れられている。
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