β-ラクタム剤
読み:ベータラクタムざい
外語:beta-lactam
抗生物質のうち、β-ラクタム環を持つ細胞壁合成阻害剤のこと。
概要
細菌の細胞壁の合成を阻害する事で、その細菌を溶菌させ死に至らしめる働きがある抗生物質。抗生物質の中で最も良く使われている。
細菌の細胞壁は内側がペプチドグリカン、外側が外膜(燐脂質)、という構造を基本としており、ペプチドグリカンとはペプチド(=アミノ酸)とグリカン(=多糖類)から構成される高分子である。
β-ラクタム環はペプチドグリカン合成にしか干渉しないため、細菌にのみ有効という高い選択毒性がある。
なお、この系統の抗生物質はショックを起こしやすい。以前は、使用前に注射剤で予備皮内反応テスト(以下「皮内テスト」)などを行なうのが通例であったが、2003(平成15)年に日本化学療法学会が有用性への嫌疑を発表、結果、厚生労働省は2004(平成16)年10月に皮内テストの中止を通知した。
種類
抗生物質の基本とも言われ、次のような種類がある。
- ペニシリン系抗生物質
- アモキシシリン(AMPC)
- アンピシリン(ABPC)
- アンピシリン/スルバクタム(ABPC/SBT)
- オキサシリン(MPIPC)
- カルベニシリン
- クロキサシリン(MCIPC)
- シクラシリン(ACPC)
- ジクロキサシリン(MDIPC)
- スルタミシリン(SBTPC)
- チカルシリン(TIPC)
- ナフシリン(NFPC)
- バカンピシリン(BAPC)
- ピペラシリン(PIPC)
- ペニシリン
- ベンジルペニシリンベンザチン(DBECPCG)
- メチシリン(DMPPC)
- セフェム系抗生物質
- セファロスポリン
- 第一世代セフェム
- セファクロル(CCL)
- セファゾリン(CEZ)
- セファトリジン(CFT)
- セファドロキシル(CDX)
- セファピリン(CEPR)
- セファロチン(CET)
- セファレキシン(CEX)
- セファロリジン(CER)
- セフテゾール(CTZ)
- セフラジン(CED)
- セフロキサジン(CXD)
- 第二世代セフェム
- セファマンドール(CMD)
- セフォチアム(CTM)
- セフォチアム ヘキセチル(CTM-HE)
- セフォニシド
- セフォラニド
- セフジトレン ピボキシル(CDTR-PI)
- セフジニル(CFDN)
- セフプロジル
- セフロキシム(CXM)
- セフロキシム アキセチル(CXM-AX)
- 第三世代セフェム
- セフィキシム(CFIX)
- セフェタメト ピボキシル(CEMT-PI)
- セフォジジム(CDZM)
- セフォセリス(CFSL)
- セフォゾプラン(CZOP)
- セフォタキシム(CTX)
- セフォペラゾン(CPZ)
- セフスロジン(CFS)
- セフタジジム(CAZ)
- セフチゾキシム(CZX)
- セフチブテン(CETB)
- セフテラム ピボキシル(CFTM-PI)
- セフトリアキソン(CTRX)
- セフピミゾール(CPIZ)
- セフピラミド(CPM)
- セフポドキシムプロキセチル(CPDX-PX)
- セフメノキシム(CMX)
- セフカペン ピボキシル(CFPN-PI)
- 第四世代セフェム
- セファマイシン系抗生物質
- セフォキシチン(CFX)
- セフォテタン(CTT)
- セフブペラゾン(CBPZ)
- セフミノクス(CMNX)
- セフメタゾール(CMZ)
- オキサセフェム系抗生物質
- ラタモキセフ(LMOX)
- フロモキセフ(FMOX)
- カルバセフェム系抗生物質(カルベセフェム系)
- モノバクタム系抗生物質
- カルバペネム系抗生物質
- イミペネム(IPM)
- エルタペネム(ETPM)
- パニペネム(PAPM)
- ファロペネム(FRPM)
- メロペネム(MEPM)
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