核分裂生成物
読み:かくぶんれつせいせいぶつ
外語:fission product
核分裂によって生成される核種。
概要
核分裂する場合、均等に割れるということはまずなく、一方が重く、一方が軽い、ということになる。核分裂する元となる核種ごとに特徴的な分布を持つため、核分裂生成物の分析により、元の核種を推定することも可能。
ウラン235の核分裂生成物の場合、重い方は140前後、軽い方は95前後となり、120前後の生成物は少ない。横軸に生成物質量数、縦軸に核分裂収率を描くと、M字型となるのが特徴である。
このようなことになるのは、分裂する場合でも安定した核種になろうとするためである。
特徴
核分裂生成物は陽子数と中性子数が概ね不均衡であり、安定しない。
多くは、陽子数と中性子数が均衡するまでβ崩壊することになり、このために放射能を持っている。
例えば、ウラン235の核分裂による主な核分裂生成物(質量数順)には次のようなものがある(更にβ崩壊や中性子捕獲で別核種に変わっていくが、それらについては触れない)。
- サマリウム149(149Sm)
- プロメチウム147(147Pm)
- セシウム133(133Cs) (このうち一部は中性子捕獲でセシウム134になる)
- セシウム135(135Cs)
- セシウム137(137Cs)
- 沃素135(135I)
- 沃素131(131I)
- 沃素129(129I)
- テクネチウム99(99Tc)
- ジルコニウム93(93Zr)
- ストロンチウム89(89Sr)
- ストロンチウム90(90Sr)
- ストロンチウム91(91Sr)
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