失禁
読み:しっきん
外語:incontinence (of urine)

 大小便が、自分の意識とは無関係に排泄されること。おもらし、お漏らし。尿の場合は尿失禁、大便の場合は便失禁と呼び分ける。
目次

呼び分け
 特に学術的な既定があるわけではないが、日常的には次のような区別があるものと考えられる。
 この項では、上記の定義における失禁を扱う。

原因

尿失禁
 尿の場合は、尿失禁遺尿などという。医学的には、夜の遺尿を夜尿症、昼は昼間遺尿と呼ぶ。
 これは排尿に関する機能が未発達または異常である場合や、心理的な問題などの影響で起こる。

便失禁
 大便の場合、医学的には、遺糞症という。
 腸の疾患や心理的な問題などで起こるとされる。

診察・治療

診療科
 尿失禁の診察、治療は一般に泌尿器科で行なわれる。
 また、小児科(小児の場合)、婦人科(女性の場合)、老人科(老人の場合)などで診察することも可能である。

過程
 膀胱内の尿量がある量に達すれば、尿意となり、やがてと運動中枢は外括約筋を弛緩して尿を強制排泄、すなわち「おもらし」をさせる。
 その量は、通常時の昼間なら機能的膀胱容量となる。但し我慢の限界は必ずしも膀胱の最大容量とは限らず、病気の場合や精神状態(緊張している場合や恐怖を感じた場合など)によっては、少ない尿量でも本人の意思に関わらず強い尿意となり、もって排尿を開始し、おもらしに至ることもある。
 中枢による排尿のコントロールは一般的に3〜4歳程度までに出来るようになる。しかし学童期になってもなお排尿のコントロールが上手にできない場合は生活に支障を来すことになり問題となる。このような症例では、膀胱が一杯になるより前に勝手に膀胱が萎縮してしまい、自らの意思でコントロールできずにもらしてしまう。

改善訓練
 尿路感染症や逆流性腎症などではなく、一日に何回も尿意をもよおすが尿量が少ない状態なら、膀胱容量が不足している可能性がある。
 この場合、トイレに行くのを少しずつ我慢して膀胱に蓄えられる尿量を増やす訓練をしたり、排尿中に一旦我慢して止め、その後全部出すという中断訓練によって神経系の働きを高める訓練などを、気長に行なうことになる。

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