尿失禁
読み:にょうしっきん
外語:UI: urinary incontinence
意識的に尿を出そうとするのではなく、不随意に(本人の意思とは無関係に)尿が漏れること。遺尿。
概要
尿失禁は、次のように分類される。
- 主要な5種類
- 真性尿失禁(TUI) ‐ 通常時の排尿経路以外の場所から漏れる症例
- 腹圧性尿失禁(SUI) ‐ 運動時、咳・くしゃみ時などに、不随意に尿が漏れる症状
- 切迫性尿失禁(UUI) ‐ 尿意切迫感と同時または直後に、不随意に尿が漏れる症状
- 反射性尿失禁(RUI) ‐ 膀胱への刺激で反射的に尿が漏れる症状
- 機能性尿失禁(FUI) ‐ 身体の障害によりトイレへの移動が間に合わないため、失禁してしまう事例
- 溢流性尿失禁(OUI) ‐ 普段は尿が出にくいが、尿が溜まると意思と無関係に少量ずつあふれ出てしまう症例 (前立腺肥大症などによる)
- 混合性尿失禁(MUI) ‐ 切迫性尿失禁と腹圧性尿失禁とが混在するもの
- 持続性尿失禁(CUI) ‐ 排尿関係の神経や筋肉の損傷により、持続的に尿が漏れる症例
- その他の尿失禁 ‐ 他の、特有の条件下で起こるもの
- 性交時尿失禁 ‐ 性行時に生じる尿失禁で、腹圧性尿失禁の一種とされる
- 遺尿症 ‐ 不随意に尿を漏らしてしまうこと
- 昼間遺尿症 ‐ いわゆる「おもらし」の病的状態で、5歳を過ぎても週2回以上の場合
- 夜尿症 ‐ いわゆる「おねしょ」の病的状態で、5歳を過ぎてもおねしょが多い場合
- 排尿後尿滴下(排尿後尿漏れ) ‐ 尿道に残った尿が、便器から離れたあとに少量漏れてくるもの
診察・治療
遺尿症(いわゆる「おもらし」)や夜尿症(いわゆる「おねしょ」)などは子供に多い症例である。
それ以外で、先天性などを除いた症例は、特に女性に多い。通院する際、何科に行くべきか迷うケースも多いが、この治療はもっぱら泌尿器科で行なわれている。
腹圧性尿失禁であれば婦人科でも治療は可能だが、病態によっては泌尿器科を紹介されることになるだろう。
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