位置天文学
読み:いちてんもんがく
天文学の一分野で、恒星の位置や運動を正確に決める事を目的とするもの。
概要
現在は、1989(平成元)年にヨーロッパが打ち上げたヒッパルコス衛星による観測が最先端であり、地球から約300光年程度の範囲の12等級程度までの恒星の距離や運度を、およそ10%誤差で観測した。
ヨーロッパはこの後継衛星GAIAを2011(平成23)年に計画しているが、さらに日本なども追随の構えを見せている。しかし、欲張り過ぎが影響しているのか、金にならない分野としか思われてないのか、計画されたプロジェクトが次々と中止されている状況で、先行きは不明である。
また、衛星以外では地上の電波望遠鏡によるミリメートル波やサブミリ波での観測計画がある。既に稼働しているものとして日本のVERAが、建設途上のものとして日米欧の共同計画ALMAなどがある。
計画
- 人工衛星
- ヒッパルコス (ヨーロッパ、1989(平成元)年〜)
- SIM (アメリカ、2009(平成21)年打ち上げ予定)
- GAIA (ヨーロッパ、2012(平成24)年打ち上げ予定)
- JASMINE (日本、2013(平成25)年打ち上げ予定)
- DIVA (ドイツ、計画中止)
- FAME (アメリカ、計画中止)
- 地上観測
目的
恒星の高精度位置観測は、恒星の位置を正確に知るのみならず、ハッブル定数の決定や、暗黒物質の存在や分布を求め、延いては銀河系の質量を正確に知るなど、天文学全体に大きな意味を持っている。
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