VERA
読み:ベラ
外語:VERA: VLBI Exploration of Radio Astrometry
日本の国立天文台が行なっている位置天文計画。
天体の位置を正確に求め、銀河系内の立体地図を作成することが最大の目標である。名称は、「真実」あらわすラテン語とかけているとされる。
概要
国内の4ヶ所に口径20mの電波望遠鏡を配置し、相対VLBIにより直径2300km級の電波望遠鏡の能力を出すというものである。
各装置は、2対象を同時に観測する2ビーム望遠鏡で、位置が未知の天体を既知の天体と同時観測することでシンチレーション等の影響を除去し、高い精度を得る。これにより、三角測量によって銀河系内のメーザー源の位置と運動を最大10μ秒角の精度で求める予定である。観測帯域は2GHz、8GHz、22GHz、43GHz。
基地
基地は、次の場所にそれぞれ新設され、2001(平成13)年から2002(平成14)年にかけて相次いで完成した。
- 岩手県奥州市水沢区(水沢局)
- 東京都小笠原村父島(小笠原局)
- 鹿児島県薩摩川内市入来町(入来局)
- 沖縄県石垣市(石垣局)
このうち、入来局は鹿児島大学との共同運用である。
記録は磁気テープに記録され、三鷹相関局で相関処理されているが、その処理系などはVSOPと多くを共用していた。
運用
当初は各局スタッフによりアンテナを運用していたが、現在は水沢局で各アンテナを集中的に遠隔管理している。
2006(平成18)年現在で誤差50μ秒角以下とされ、VSOPの300μ秒角を上回る。
視差による距離計測では、従来の倍の4.5kpcまで計測されているが、全銀河系を観測するにはまだ不十分である。そこで大学連携VLBIとして国内研究機関とも連携した観測を行ない、更に現在は隣国(南鮮・支那)を含めた干渉計構築を目指している。
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