ハッブル定数
読み:はっぶるていすう
外語:Hubble's Constant
ハッブルの法則において、天体の後退速度と距離との関係をあらわす比例定数。
概要
この定数は、言いかえれば宇宙の膨張速度を表わす定数である。
この定数を求めれば宇宙の年齢が分かるということで、ハッブルの法則発見以来、正確な数値を求める努力がなされた。しかしなかなか正確な値が求まらず、宇宙の年齢を正確に求めることができない時代が続いた。
特徴
近傍宇宙
超新星やケフェイド変光星の観測で、近傍宇宙におけるハッブル定数は、概ね70km/s/Mpc前後であることが分かっている。
これを著している時点では、ESAの宇宙背景放射観測衛星「プランク」の観測や、アメリカNASAのハッブル宇宙望遠鏡による観測で発表が更新され続けているが、近傍宇宙においては70km/s/Mpc前後であることは疑う余地がないようである。
- 2015(平成27)年2月: 67.74±0.46km/s/Mpc (プランク)
- 2016(平成28)年5月: 73.00±1.75km/s/Mpc (ハッブル宇宙望遠鏡)
- 2016(平成28)年7月: 67.6+0.7-0.6km/s/Mpc (SDSS)
- 2016(平成28)年11月: 71.9+2.4-3.0km/s/Mpc (ハッブル宇宙望遠鏡)
これはつまり、1Mpc離れた二つの天体の遠ざかる相対速度は約70km/s(60.5km/cBeat)ということを意味しており、この速度で宇宙は膨張していることを表わす。
初期宇宙
これまで発表されている、近傍かつ局所宇宙の観測から求めた値、つまり通説は、現在の標準的な宇宙論モデルとなってはいる。
しかし、宇宙背景放射観測衛星「プランク」を用いた重力レンズを用いた観測によると、近傍宇宙では通説とほぼ一致することが確認されたものの、初期宇宙の宇宙背景放射の観測から得られた値とは一致せず、現在の標準的なモデルで期待されるよりも速く宇宙が膨張していることを予測する結果になったとしている。
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