中性線
読み:ちゅうせいせん

 単相3線式や三相4線式などで使われている、基準電位となる電線のこと。対するは電圧線。線色は一般に白を用いる。
目次

概要
 例えば、家庭用の単相3線式の引き込み線では中性線は白線で、これは電柱上のトランス(柱上変圧器)の部分で対地アースされている。
 そして、赤‐白の間に100V、白‐黒の間に100V、そして赤‐黒の間に200Vの電圧がそれぞれかかっているため、線の取り方によって最大で100Vまたは200Vが得られることになる。
 中性線は0Vの電線であるので、電圧線がライブ(L: Live)と呼ばれるのに対して、こちらはニュートラル(N: Neutral)という。

特徴

結線
 単相3線式・三相4線式の配線においては、中性線にはヒューズ開閉器を入れてはいけない。
 中性線切断時は著しく二系統の電圧に偏りを発生させ、機器を破損させるため、中性線は決して断線してはいけないからである。

接地線との差
 中性線も接地線(アース)も、大地に接地極を埋設していることは同じだが、目的が全く違う。そのため、両者は全く異なる結線をしており、線を共有したりはしない。
 中性線には電流を流さない。中性線が柱上変圧器で対地アースする目的の一つは、混触防止のためである。万が一変圧器が故障して高圧が低圧側に流れる(これを混触という)ことがあっても、中性点のアースの存在により電流を検知して、地絡継電器を動作させることができる。
 コンセントのアースが中性線と別になっているのも、この線に電流を流さないためである。電圧はアースを基準とするので、アースされた中性線に対して100Vを得ると考えると、ここに電流を流してしまうと電圧が変動してしまい、目的を達さないことになってしまう。
 また分電盤には漏電遮断器というものを付けることができるが、これはこの中性線を監視する。もし家庭内で、中性線にアース線を接続した場合、もしアース線に電流が流れればそれは漏電電流として検知され、漏電遮断器は電気を遮断することになる。

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