ヒューズ
読み:ひゅーず
外語:fuse
定格以上の電流が流れた時(過電流)に、回路を遮断(開く)ことで回路を保護する部品。フューズ。電力を冠して、電力ヒューズ、電力フューズとも。
目次
概要
特徴
ガラス管ヒューズ
安全器のヒューズ
電力ヒューズ
その他
概要
電気回路
に挿入され、通常は導体となるが、定格以上の電流で回路を開くことで回路を遮断し、定格以上の電流を流さない。
用途に応じて様々なものがあるが、家庭用の電力では定格以上の電流が流れた時に生じる
ジュール熱
で溶解する「ガラス管ヒューズ」が多く、高圧回路などでは発生するアーク抵抗で電流を短絡電流よりも小さく制限することで遮断する限流ヒューズなどが使われる。古い家屋でブレーカーの代わりに
安全器
が使われていた頃は、安全器用のヒューズも広く使われていた。
乗用車ではヒューズボックスと呼ばれる箱に専用のヒューズを差し込んで使われており、各種のライト、メーター類、オーディオ、ワイパー、ウォッシャー液、エアコン、エアバッグ、ドアロック、あるいはエンジン制御やスターターといった各部位ごとにヒューズが用意されている。
特徴
ガラス管ヒューズ
ガラス管の中に細い線が入ったもの。
定格電流に対する
通電容量
、溶断電流と、その溶断時間に応じて、JISでは次のような分類をしている。2文字の英字は特性記号である。
普通溶断形
NN ‐ 200%で30秒(35cBeat)以内
NM ‐ 200%で2分以内
NR ‐ 200%で2分以内、2000%で0.01秒(0.0cBeat)以内
タイムラグ溶断形
TS/TL
速動溶断形
SL ‐ 135%で1時間以内、250%で1秒(1cBeat)以内
SH ‐ 135%で6分以内、200%で0.5秒(0.6cBeat)以内
またそれぞれに、ヒューズ管の溶断特性に応じてA種とB種の二種類が定義されている。
安全器のヒューズ
現在のブレーカーが実用化される前は、
安全器
と呼ばれる、磁器製のヒューズ格納箱が使われていた。
過電流や短絡などがあるとヒューズが溶断し、回路を開くことで事故を防止するものである。ただしその場合、新品のヒューズに交換しないと再度の通電ができない。
ヒューズが溶断することを、(ヒューズが)「飛ぶ」または「切れる」という。安全器だった時代を過ごした老人は、その名残でブレーカーが落ちることを今も「ヒューズが飛ぶ」と言うことがある。
電力ヒューズ
高圧回路(6,600V、3,300V)以上で使用されるヒューズを一般に
電力ヒューズ
という。次のような種類がある。
限流ヒューズ
全領域限流ヒューズ
高圧限流ヒューズ(バックアップ限流ヒューズ)
非限流ヒューズ
その他
ソフトウェア
によって切断できる
EFUSE
というものもあり、一回切ったら元には戻せない特徴を生かして、何らかの判定に用いることもある。
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