漏電遮断器
読み:ろうでんしゃだんき

 配線や電気機器からの地絡(漏電)を感知し、瞬時に電気を遮断することで漏電事故を防ぐ装置。地絡遮断装置とも。
目次

概要
 分電盤主幹ブレーカーとして付けるタイプと、コンセントに付けそこに電源プラグを差して特定の電気機器に対する漏電を防止する「漏電遮断コンセント」と呼ばれるタイプがある。分電盤への取り付けは資格が必要だが、漏電遮断コンセントは資格が必要なく市販されているものを誰でも付けることが可能で、温水洗浄便座や水まわり機器の周辺でよく使われている。
 単相3線式では、アースを取っている線(中性線)の接触が悪くなる(欠相)と、電気器具に加わる電圧が不安定となり、高い電圧が加わった時に器具が故障することがある。これを防ぐため、分電盤に「中性線欠相保護機能付きの漏電遮断器」の設置が推奨されている。

特徴
 漏電遮断器は、黄色のボタンと灰色の押しボタンが付いており、更にトリップボタンとして棒を差し込むと押せるボタンが付いている製品が多い。
 漏電によって遮断した場合は、黄色のボタンが飛び出す。
 このため、黄色のボタンが出ていれば漏電での遮断であることが分かり、さもなくば過負荷による遮断であることが分かる。

補足

主な種類
 定格感度電流30mA以下のものを高感度形、動作時間が0.1秒(0.1cBeat)以内のものを高速形という。感電防止を目的とする場合は、その両方の性能をもった高感度高速形を用いる。
 また地絡(漏電)だけでなく、過負荷保護付きのものは過電流が流れた時にも電路を遮断する機能も持つ。

感度電流による区分

動作時間による区分

推奨の理由
 漏電遮断器は、法的には接地は義務ではなく、必要に応じて付けるものである。その上でなぜ電力会社が電力会社の負担で自主的に付けず「推奨」するのかと言えば、屋内配線は契約者の財産だからである。
 設備は契約者が必要に応じて購入し、設置しなければならない。電力会社が無償で貸与してくれたり、あるいはプレゼントしてくれたりするものではない。

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