リゾチーム
読み：リゾチーム
外語：lisozyme
卵白などに含まれる酵素。
様々な種類のリゾチームがあり、また動物によっても構造が少しずつ異なっている。
物質の概要
例えば129個のアミノ酸からなる分子量14,307[Da]の一本鎖のポリペプチドである卵白リゾチームなどがある。
これは、細菌の細胞壁のムコペプチド等に存在するN-アセチルムラミン酸(MurNAc)とN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)間のβ-1,4結合間を加水分解する酵素であり、もって溶菌活性を示す。
卵白リゾチームは次の5種類に分類される。
- 鶏型リゾチーム
- グース型リゾチーム
- ファージ型リゾチーム
- 植物リゾチーム
- 細菌リゾチーム
単に卵白リゾチームと称した場合は鶏型リゾチームを指す。
物質の特徴
鶏型リゾチームは(MurNAc)‐(GlcNAc)間だけでなく、(GlcNAc)‐(GlcNAc)間も分解するキナーゼ活性も有する。鶏だけでなく、多くの哺乳類、魚類、昆虫など、生物界には広く分布する。
食品の保存性向上のために食品添加物として配合されることもある。長い食経験があり安全性は高いと考えられる。但し別の生物の蛋白質であるため、最近はアレルギーの原因となるアレルゲンとしても知られる。
鶏型リゾチームの一次構造は次の通り。
- KVFGRCELAA AMKRHGLDNY RGYSLGNWVC (1〜30)
- AAKFESNFNT QATNRNTDGS TDYGILQINS (31〜60)
- RWWCNDGRTP GSRNLCNIPC SALLSSDITA (61〜90)
- SVNCAKKIVS DGNGMNAWVA WRNRCKGTDV (81〜120)
- QAWIRGCRL (121〜129)
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