昆虫
読み:こんちゅう
外語:insect

 節足動物のうち、昆虫綱に属する動物の総称。
目次

情報

分類
 ▼はAPG分類法における階層で、従来の階級にないもの。

下位分類(亜綱)

特徴

起源
 昆虫のゲノムと化石を使った研究により、昆虫の起源は約4億8000万年前にさかのぼるとする学説がある。
 昆虫類は多足類の先祖種から分岐し、デボン紀の約4億8000万年前に原始的な無翅昆虫類が誕生し、約4億年前に翅(はね)を使って飛ぶ有翅昆虫類が登場し、これが大繁栄を遂げた。約3億5000万年前に完全変態昆虫(幼虫→さなぎ→成虫と変化する昆虫)が出現した。現生の昆虫の99.9%以上が有翅昆虫類であり、全動物種の75%を占めるとされていることから、昆虫の大繁栄は翅の獲得が大きく貢献したと言うことができる。
 かくして、初期の昆虫は藻類などとともに初期の陸上生態系を作っていたと考えられている。

進化
 ゲノム研究などで系統樹を遡っていくと、節足動物門として、約5億年前のカンブリア紀頃に誕生した鋏角類のウミグモなどとの共通祖先に突き当たる。鋏角類にはほかに、2億年前から姿を変えていないとされるカブトガニや、日常的によく知られるものとして蜘蛛(クモ)、蠍(サソリ)といった生物が含まれる。
 ここから時代を現代に向けて進めると、共通祖先よりムカデなどの多足類が分岐し、さらに共通祖先より様々な甲殻類が分岐した。甲殻類としては、ウミホタル、ミジンコ、海老、蟹(カニ)、ムカデエビといった生物が次々と登場している。
 そしてほぼ最後に、昆虫を含む六脚類が登場した。六脚亜門には内顎綱と昆虫綱の二綱があり、昆虫はそのうち後者である。

性質
 身近で、「」として見られるものの多くは昆虫である。それだけに人間との関わりも深く、人間に有益かどうかで「益虫」「害虫」などと呼び分けられることもある。
 身体的特徴として、成虫の体は頭部・胸部・腹部の3つに分けられる。そして胸部に、3対の脚(肢)と、2対の翅(はね)をもつ。
 殆どは卵生である。一部に、卵胎生など特殊な生殖をするものがいる。
 味はともかく殆どの昆虫は食べることが可能である。しかし日本では、イナゴの佃煮が広く食べられ、その他は長野県に蜂の子の佃煮がある程度であり、昆虫料理はゲテモノに分類されマイナーである。

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