フェナントレン
読み:フェナントレン
外語:phenanthrene

 ベンゼン3個がオルト縮合した多核芳香族有機分子。発がん性物質である。
目次

概要

基本情報
 

誘導体、関連物質の例

性質
 この物質の用途は知られていない。
 石炭を燃料とする工場や、食品のこげ、煙草の煙などに見つかる物質で、発がん性物質である。
 天然には、フェナントレン骨格を持った芳香族は様々あり、モルヒネコデイン、アリストロキア酸などがよく知られている。

特徴

毒性
 フェナントレンは、DNAを損傷し、突然変異を発生させ、がんを発症させる危険性がある。フェナントレンは、煙草に含まれる発がん物質の一つでもある。
 米国立がん研究所の資金提供により、スティーブン・ヘクト(Stephen Hecht)ら米科学者の研究チームが煙草に含まれる物質がヒトのDNAに及ぼす効果を追跡研究し、結果が2011(平成23)年2月15日の米国化学会の学術誌「Chemical Research in Toxicology(毒物学の化学研究)」に掲載された。
 結果は、煙草をわずか数回吹かすことで、数分以内にがんに関連する遺伝子損傷が起きる危険性があるとされた。
 毒性のある多環芳香族炭化水素(PAHs)のうち、煙草の煙に含まれる中で最大の発がん性物質と見込まれているフェナントレンの量を調べたところ、煙草の効果は血流に有害物質を直接注入するのと同程度に速く、血流内のフェナントレン量は喫煙を終えてからわずか15〜30分で最高値に達した。

安全性

適用法令
 毒物及び劇物取締法には非該当。

危険性

有害性

環境影響

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