ヒロポン
読み:ヒロポン
外語:philopon

 メタンフェタミン覚醒剤の商品名。成分は塩酸メタンフェタミン。
目次

薬品の特徴
 メーカーは大日本製薬で、同社の商標である。

効能・効果
 ナルコレプシー、鬱病、麻酔から覚めにくい時などに使用可能。気分の高揚、多幸感がある。
 とはいえ、現在では精神科や麻酔科でもまず使わない。他に良い薬が色々あるためである。

剤形
 散剤錠剤液剤(0.3% 3mgアンプル)があり、散剤と錠剤は内服、液剤は注射で使用する。

名称の由来
 次のような説があるが、実際には不明である。
  1. ギリシャ語で「仕事を好む」を意味する「ポンポンズ」から
  2. ラテン語で、ヒロが「好む」、ポンが「考える」を意味し、もって「考えることを好む」から

副作用など
 覚醒剤一般にある副作用の全て。

歴史
 今でこそ覚醒剤といえばシャブであるが、かつて覚醒剤といえばヒロポンであった。
 そのため、昔は覚醒剤常用者は "ポン中" と呼ばれていた。今なら "シャブ中" に相当するだろう。

起源
 元々は戦時中、軍需工場で作業能率を高めるために使われた、立派な軍需物資であった。
 軍用であるので無論一般には手に入らないものだったが、戦後になり大量放出された。

社会問題化
 さらに密造品が大量に市場に流されたことで大流行した。
 こうして発生した中毒患者は幻覚幻聴・発狂といった症状を呈するようになり、これが原因となって様々な犯罪が起こり、治安上の問題に発展した。
 またヒロポンとしての直接の問題のみならず、薬の回し打ちによるC型肝炎ウイルスの蔓延なども問題となった。
 法的に完全に禁止されたのは覚せい剤取締法が作られた1951(昭和26)年からである。

現在
 現在でも、ヒロポンは大日本製薬の製品として存在する。
 尤も現実には殆ど使われていない上に、ヒロポンのアンプル1本で3mgなのに対し、シャブは純度にもよるが小袋1個1gとして実質500mgぐらい含有としても、その量は比べ物にならない。

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