アシル基
読み:アシルき
外語:acyl group
官能基の一つで、カルボニル基の一種。オキソ酸より水酸基を取った構造となる。
概要
「R‐CO‐」、より具体的には「R‐(C=O)‐」と炭素・酸素間は二重結合となる構造を基本とするもので、カルボン酸の「R‐CO‐OH」からOH基を除いて得られる構造を言う。
実際にはカルボン酸からだけでなく、燐酸やスルホン酸など、他のオキソ酸からも作ることができる。
特徴
命名法
IUPAC命名法では、元となる酸の語尾(-ic や -ine など)を、-yl に置き換える。なお、語尾 -yl は、構造が似るアルキル基と同である。
つまり、命名法は同じだが、その中で「C=O」に着目する場合はアルキル基、「R‐(C=O)‐」に着目する場合はアシル基と呼び分けることになる。
アシル基も他と同様、IUPAC名の他に慣用名が存在する。
種類
アシル基というのは様々ある基の総称であり、アシル基に該当する、主な基には次のようなものがある(慣用名50音順)。/の右側はIUPAC名。元となる酸も併記する
- アクリリル基/プロペノイル基 (CH2=CH‐C(=O)‐) ← アクリル酸
- アセチル基/エタノイル基 (CH3‐C(=O)‐) ← 酢酸
- アセトイミドイル基 (CH3‐C(=NR)‐) ← アセトイミド酸
- アルデヒド基/メタノイル基 (R‐CHO) ← 蟻酸 (この基はホルミル基ともいう)
- チオアセチル基 (CH3‐C(=S)‐) ← チオ酢酸
- プロピオニル基/プロパノイル基 (CH3CH2‐C(=O)‐) ← プロピオン酸
- ベンゼンスルホニル基 (〓‐S(=O)2‐) ← ベンゼンスルホン酸
- ベンゾイル基 (〓‐C(=O)‐) ← 安息香酸
〓‐はフェニル基で、Ph‐ とも書かれる。
この他にも様々なものがある。
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