質量 |
辞書:科学用語の基礎知識 科学編 (NSCI) |
読み:しつりょう |
外語:mass |
品詞:名詞 |
物体がもつ、物質の量のこと。質量は、重量(重さ)とは異なる。
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概要 |
単位 |
質量の単位には、cgs単位系では「グラム(g)」、MKS単位系、MKSA単位系、現在の国際単位系では「キログラム(kg)」が使われる。
国際単位系としては、これら単位は質量に使うのが正当である。重量でも同じ単位が使われるが、より正確にはキログラム重(kgw)やグラム重(gw)などを用い、両者は明確に区別するべきであるとされている。
なお、素粒子の質量を表わすときには電子ボルト(eV)が使われる。これは、特殊相対性理論により、質量とエネルギーが可換(E=mc2)であるためである。
単位の定義 |
質量を普遍的に表現するためには単位が必要であり、これは古くより存在した。
現在の国際標準はキログラムであり、これは「キログラム原器の質量」である。
質量 |
質量保存の法則 |
フランスの科学者ラボアジェにより、化学反応の前後で物質全体の質量は変化しない質量保存の法則が示されている。
古典物理学 |
重量(重さ)は、ある物体に働く重力によって表わされる。
ここで力=質量×加速度(F=ma)という関係があり、地球上ではどこでも重力加速度はほぼ一定(約9.8m/s2)であることから、重力(つまり重さ)と質量はおおよそ比例関係にあることがわかる。
日常的には、質量と重量は同じように見えるが、例えば宇宙などの無重力状態では、質量1kgの物体の重量は0kgwである。
相対性理論 |
アルベルト・アインシュタインの特殊相対性理論により、エネルギー(熱量)と質量は本質的に同じものであるとされた。
E=mc2によって定義されるエネルギーは、真空中の光速(c)の二乗と質量の積である。
量子論 |
量子論の世界では、物質に質量をもたらす根拠をヒッグス場で説明している。
ヒッグス場で素粒子に質量を与える作用をヒッグス機構といい、またヒッグス場を量子化した粒子の一つがヒッグス粒子である。
素粒子 |
原子核は陽子と中性子からなる。陽子や中性子は、クォークがグルーオンで結束された複合粒子である。
グルーオンには質量がなく、クォークの質量も陽子や中性子が持つ質量の5%にしかならない。残りの95%の質量は、クォークとグルーオンの動きや相互作用によって発生するエネルギーが由来となっている。
これは、E=mc2で表わされる公式により、エネルギーと質量は可換であることからも分かる。
リンク |
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