脳 |
辞書:科学用語の基礎知識 生物学・器官名称編 (BBORGN) |
読み:のう |
外語:brain |
品詞:名詞 |
動物の頭部にある、神経活動の中枢となる器官で、思考、記憶、生体統御などの働きを司る。
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概要 |
ヒトほか脊椎動物のものをいうが、無脊椎動物の頭部にある神経節を含めていうこともある。
脳と脊髄で中枢神経をなし、生命維持のほか、思考、感情・情動といった様々な神経活動を担う。
主として神経細胞と膠細胞(グリア細胞)からなる器官で、そのほかに脳脊髄液の通り道となる脳室、ホルモンなどを分泌する内分泌腺などの機能を有する。
ヒトの脳の色は血液のためピンク色に見え、硬さは豆腐並である。
以下はヒトの脳について説明する。
構造 |
発生学上の構造 |
発生学では、発生の初期段階となる胚の段階より大きく前脳、中脳、後脳(菱脳)の三つに分かれる。
ここから更に分化し、ヒトの場合は前脳と後脳は次のように分かれる。
見た目での構造 |
脳は大きく、大脳、小脳、脳幹の三つに分けられ、表面は被膜に覆われている。
それらは、次のように分けられている。
脳細胞 |
細胞数 |
大脳の神経細胞数は約140億個とされるが、大脳の深い部分の細胞や小脳の細胞を含めると、その数は1000〜2000億と推定されている。
この脳細胞は胎児期および幼児期に形成されるが、脳細胞数は生後1〜2か月から後は大きく変化しない。
新生児の脳重量は約400gで、成人の脳重量が1300g前後と3倍以上に増えるが、これはつまり細胞の数が増えるのではなく、細胞自体が大きくなり脳細胞間のネットワークが増すようになるためである。
脳細胞は年齢と共に死滅し、その数は減少するとされる。毎日平均で10万個が減ると言われるが、それでも80年生きて全体の5%が減る程度である。
神経新生 |
大人になると神経細胞が生成されなくなり、減る一方だと考えられてきた。しかし実際には成人でも脳内で新たな神経細胞が誕生することが知られるようになった。これはNeurogenesis(神経新生)と呼ばれている。
一説によると、人間は1日あたり700個の新しい神経細胞を海馬で生成されている、とされる。鬱病や抗がん剤投与などで神経新生が低下するとされる。
一生で使う脳の量 |
脳に関してはまだまだ研究の段階であり不明なことも多々あるが、脳細胞は全ては使われていないようである。
一説では通常その10%〜30%程度しか使われていないと言われており、また最近の説では実は65%以上使われているという説もある。
普段未使用の脳細胞は、使われていた脳細胞が障害(障礙)を受けた時に、その機能の代理を務めるように働くと考えられている。すなわちこの使われていない脳には無限の能力や可能性が秘められていると考えられていて、それが潜在能力であると考えられている。
大食漢の脳 |
血液とエネルギー |
脳の重量は約1.5kgと体重の2〜2.5%に過ぎないが、脳には心臓から拍出される血液の15%〜20%が供給されている。
つまり、それだけ酸素や栄養を贅沢に使っているということであり、体重の半分を占める皮膚・筋肉と殆ど変わらないエネルギーを消費している。
瑞々しい脳 |
そしてこの脳は75〜85%程度が水分であり、全身で最も水分の多い瑞々しい部位である。
少なくとも1L少々の水が脳に蓄えられている計算になるため、膀胱や心臓などよりも水分が多いことになる。
脳の栄養 |
脳は主として葡萄糖を栄養分とする。脳では葡萄糖+酸素→二酸化炭素+水という反応からエネルギーを得る。筋肉などでは葡萄糖から乳酸を作る再利用の経路があるが、脳にはそれがないため、葡萄糖をそのまま使い切ってしまう。非常に贅沢な使い方であるといえる。
かつては葡萄糖だけが脳のエネルギー源と考えられていたが、近年の研究により乳酸も脳のエネルギー源となることが分かっている。激しい運動の際には脳内の糖消費は減少し、代わりに乳酸でエネルギーを補う。
疾病、疾患 |
脳は様々な機能を持つため様々な疾病がある。そのうちの代表的なものを紹介する。
リンク |
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