小マゼラン雲
読み:しょうマゼランうん
外語:SMC: Small Magellanic Cloud

 きょしちょう座に見られる棒渦巻銀河だった銀河で、銀河系の伴銀河である。
目次

概要

基本情報

物理的情報

観測情報

主なカタログ番号

特徴

銀河内の天体

発見
 実視等級2.8等と明るいため有史以前より存在が知られており、発見者は特定不可能である。ただ、南天にあるため日本からは観測することができない。
 小マゼラン雲という名は、ポルトガルの航海家フェルディナンド・マゼランが1519(永正16)年に出発した世界周航でその存在を記録したことにちなむ。むろん発見者というわけではない。

規模
 実際の大きさは、直径が銀河系の1/20程度、質量は銀河系の1/150程度と推定されている。

銀河系近傍
 銀河系の近傍にある星雲であり、銀河系の伴銀河の一つである。但し徐々に銀河系からは遠ざかっている。
 ハッブル宇宙望遠鏡の観測などによると、この銀河は元々は他の場所にあったものが(宇宙スケールで)比較的最近、銀河系周辺に接近してきたものであって、長きにわたって銀河系周辺を周回していたわけではないことが分かっている。

大小マゼラン雲
 大マゼラン雲と小マゼラン雲を接続するガスの橋が見つかっており、更に天球上を100度以上にもわたって長く伸びる水素の雲「マゼラニック・ストリーム」が存在する。
 かつては銀河系に接近したため重力でガスが引き寄せられている、と考えられてきた。現在のコンピューターシミュレーションによると、マゼラニック・ストリームは銀河系の影響ではなく、大小マゼラン雲が互いに接近・通過することによって形成されたものとされている。
 これは、長期にわたり、大小マゼラン雲が互いに重力的に拘束されていることを示している。

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