原尿
読み:げんにょう
外語:primary urine
腎臓の糸球体によって血液を濾過した結果作られる液体。
概要
腎臓で尿を作る最初の段階の液体が原尿である。
血液から濾過された水分であるが、その後の処理で再吸収され、必要な水分は再び血液に戻る。こうして、多くの処理を経て、不要な量だけの水分を排泄する仕組みが備わっている。
成人で、一日に約140〜150リットル作られるが、これは一日に何度も、原尿になり血液に戻る、ということを繰り返すためである。
原尿には、水分の他に葡萄糖やアミノ酸、各種電解質や窒素化合物、有機物が含まれる。血球や蛋白質等は通常含まれない。
特徴
濾過液
血液の濾過液だが、単に血液から分離しただけの存在でありこれ自体は老廃物ではなく、生物に必要な物質を大量に含んでいる。
そこで、糸球体から腎盂に流れる途中(尿細管・ヘンレ係蹄・集合管)で原尿を再吸収する仕組みが備わっている。
再吸収
まず近位尿細管で、葡萄糖、アミノ酸、ビタミンなどはほぼ100%、水分やナトリウム等を含め、原尿の50〜75%がここで再吸収される。
続くヘンレ形蹄では水や塩素、ナトリウム等が再吸収される。
遠位尿細管でも水やナトリウムの再吸収を行ない、また不要な電解質を尿として分泌し、量の調整を行なう。
そして集合管に至るまでに99%が再吸収され、集合管では抗利尿ホルモンの制御により水と尿素の再吸収を行ない、最終的な原尿は腎盂に集められ、尿管を通って膀胱に貯められた後、尿として排泄される。
尿
約140〜150リットル、つまりドラム缶一本分程度の原尿が1%に濃縮されるので、結果、一日に尿として排泄されるのは1.5リットル程度となる。
途中で吸収された物質は、毛細血管から腎静脈へと流れてゆき、再び体を巡ることになる。
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