力率
読み:りきりつ
外語:power factor
交流電力における、有効電力と皮相電力の比率。
概要
白熱電球や電熱線を用いる機器(オーブン、トースター、電気アイロンなど)は力率が100%になる。
一方で、電源に直接コイルやコンデンサーが繋がる機器では電源の電圧とそれに流れる電流の位相に「ずれ」が生じるようになる。これが力率の悪化(100%未満になる)である。
古い電気洗濯機や電気冷蔵庫も交流電源で直接モーターを動かしていていたため力率は良くなかったが、現在のものは一旦直流に変えてから更にインバーターで交流を作りモーターを動かすものが主流であり、力率は90%以上に改善されている。ただ、電源の整流回路や平滑回路で交流波形が歪むことから、力率は100%未満になる。
特徴
計算式
有効に使用された電力の割合を意味し、車にたとえると燃費に相当する。
次の式で表わされる。
(力率)=(有効電力)÷(皮相電力)
(皮相電力)≧(有効電力)の関係があるので、(力率)≦1 となる。
力率が1未満(つまり100%未満)になる要因として、電圧波形と電流波形とが互いに大きく異なる場合と、電圧波形と電流波形との間に位相差が生じている場合とがある。後者の場合、電圧を基準に両者の位相差をθとしたとき、その力率はcosθに等しい。
力率の悪化
力率の悪化とは「位相のずれ = 力率の悪化 = 無効電力の増加」ということが可能である。
この時、電圧を基準に、電圧より電流が遅れていれば「遅れ力率」、進んでいれば「進み力率」という。
力率割引
工場など需要者側で力率が低い装置を用いている場合、電力事業者は一定以上の有効電力を供給するため、力率が高い場合と比べてより大きな電流を流す必要がある。
そのための電流供給能力の強化は電力事業者にとって余剰なコストとなるため、需要者側も相応のコストを負担することになる。このため、電力事業者は力率に応じた割引および割増を実施することが多い。
力率によって電気料金が変わることから、力率の改善で電気料金の削減も可能となる。よくある「遅れ力率」の場合、進相コンデンサーを用いて電流の位相を進めることで、力率を改善することができる。
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