鹹水 |
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質名・食品添加物編 (NSUBNFA) |
読み:かんすい |
品詞:名詞 |
ラーメンの麺を作るのに欠くことのできない副原料の一つ。食品添加物。
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概要 |
小麦粉に鹹水と水を入れて練ればラーメンの麺になるのである。
鹹水を加えることで小麦粉中の蛋白質(グルテン)に作用し、弾力や展延性が増し、食感としてコシなどが増すことになる。
特徴 |
由来 |
古く支那では天然の炭酸ナトリウムを使用していた。鹹湖(カンコ)という湖の水を使ったことが、鹹水という名の由来である。
現在では炭酸カリウムや炭酸ナトリウム、燐酸水素二ナトリウムの混合物が使われる。
日本の戦後には、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)などが鹹水として使われ問題となっていた。現在ではこのようなものを使うことは食品衛生法で禁止されている。
法律上の定義 |
食品衛生法では、食品添加物を原則として物質名で記載することになっている。しかし鹹水はさまざまな物質の混合物であるため、それを全て記載するのは現実的ではない。
食品衛生法施行規則では、一般に広く知られた名称をもつ添加物の場合には物質名の代わりに簡略名・類別名での記載が可能、とされている。
現在は廃止されているが、かつて、平成8年5月23日衛化第56号厚生省生活衛生局長通知「食品衛生法に基づく添加物の表示等について」の「別紙4 各一括名の定義及びその添加物の範囲」には、「かんすい」の定義として次のように書かれていた。
(1)定義 中華麺類の製造に用いられるアルカリ剤で、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ、炭酸水素ナトリウム及びリン酸類のカリウム又はナトリウム塩のうち1種以上を含む。
(2)一括名 かんすい
(3)添加物の範囲 以下の添加物をかんすいとしての目的で使用する場合。
一覧化されている物質は次の通りである(名称は記載通り転記する)。
分かり易く言えば、「中華麺」を作るために使う添加物を総じて「かんすい」という。
関連物質 |
長崎チャンポンなどのちゃんぽん麺を作る時には「唐灰汁」(唐あく)と呼ばれるものが使われる。
有効成分はかんすいと同じで、炭酸カリウムと炭酸ナトリウムだが、その濃度が違う。
ラーメンを作る場合のかんすいは一般に「炭酸カリウム」の濃度が高いものが使われるが、ちゃんぽん麺を作る場合の唐灰汁は「炭酸ナトリウム」の濃度が高いものが使われている。
リンク |
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