トレドミン |
辞書:科学用語の基礎知識 薬学・精神薬編 (BPHARM) |
読み:トレドミン |
外語:Toledomin |
品詞:商品名 |
ミルナシプラン塩酸塩を成分とするSNRI系抗鬱薬。
フランスのピエールファーブル メディカメン社で開発された。日本では、メーカーは旭化成ファーマ。
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情報 |
製品 |
薬価は随時変更される。記載の薬価は執筆時点。
効果・効能 |
鬱病、鬱状態の治療に用いる。
用法・用量 |
塩酸ミルナシプランとして、通常成人1日25mgを初期用量とし、1日100mgまで漸増し分割経口投与する。
年齢、症状により適宜減量する。
高齢者は1日60mgまでとする。
成分・添加物 |
規制区分 |
薬効薬理 |
脳内のセロトニン(5-HT)及びノルアドレナリン(NA)の神経末端への取り込みを阻害すると考えられている。
このため受容体刺激が増し、これが抗鬱効果となると考えられている。
剤形 |
錠剤は4種類ある。
12.5mgは淡紅色、15mgは淡黄色、25mgと50mgは白色のフィルムコート錠である。いずれも剤形は円形である。
風味等 |
薬効成分は苦いため、フィルムコートされている。
名称の由来 |
不明。
注意点 |
妊婦・授乳中の婦人への安全性は確立していない。
副作用など |
副作用は様々なものがある。
消化器への影響が強いため、吐き気がよく見られる。また便秘、口の渇き、排尿困難などの抗コリン作用、性機能障害(男性)、月経障害(女性)、頻脈、発汗、臭う、などの問題が確認されている。
発疹・掻痒が生じた場合(0.1%未満)は服用を中止すること。
副作用の特徴 |
最も多いのが吐き気だが、飲みなれて行くうちに緩和する。薬を吐いてしまわないよう、それまでは制吐剤(吐き気止め)を処方してもらうと良い。
便秘は食物繊維を意識的に摂り、ヨーグルト等で腸内環境を整えると良いとされる。食生活で改善の見込みが薄い場合は便秘薬を処方してもらうとよい。口の渇きは、氷を口に入れたり、ガムを噛んだりするのが良いらしい。これらはある程度対処可能であるが、それ以外の副作用はあまり解決していない。
排尿困難や男性の性機能障害、例えば、排尿時に精液が出たり、勃起しない、射精できない、射精しても射精感が無い、射精時に痛む、睾丸が痛む等があり、これらは個人差が激しい。同様に女性の月経障害、例えば生理が来ない・増える等の生理不順があるが、これも個人差が非常に激しい。
汗が増える場合は、脱水症状にならないように水分補給を忘れずに行なう。
臭いは主として薬臭であり、体臭や尿・便より臭いが出る。
しかし、SNRIということで、これでも抗鬱薬としては副作用が少なめである。またSNRIということで効果が出やすいため、比較的よく使われる薬となった。
姉妹品・後発品 |
「ミルナシプラン塩酸塩錠」として、各社がゾロを販売している。
補足 |
この薬品は、鬱病には効果がないと見られている。
厚生労働省は2013(平成25)年3月29日、1999(平成11)年以降に承認された新しいタイプの抗鬱薬の投与について、18歳未満への投与は慎重に検討する旨を添付文書に記載するよう、日本製薬団体連合会に指示し、その中にミルナシプラン塩酸塩が含まれていた。
これは、海外での臨床試験において、有効性を確認することが出来なかったための措置である。
リンク |
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