テポドン
読み:テポドン
外語:<TAE><PHO><TONG>
北朝鮮
の開発した弾道ミサイルの、アメリカ側からの呼称。日本もこの名を使っている。
目次
概要
種類
名前
沿革
軍事面での検証
要点
北朝鮮の能力
日本から見た場合
概要
種類
テポドンには大きく、「テポドン1号」と「テポドン2号」の二種類があるらしい。
「テポドン1号」は準中距離弾道ミサイル(準IRBM)で、「テポドン2号」は大陸間弾道ミサイル(ICBM)である。
いずれも、
液体燃料ロケット
を用いている。
また、「テポドン2号」は2段式であるのに対し、北朝鮮が発表した「銀河2号」は3段式であった。「テポドン2号改良型」などと呼ばれることもある。
既知の範囲内で分類すると、次のようになる。
テポドン1号
1998(平成10)年: 「白頭山1号」、「光明星1号」
テポドン2号
2006(平成18)年
テポドン2号改良型
(人工衛星打ち上げ用)
2009(平成21)年4月: 「
銀河2号
」、「光明星2号」(失敗)
2012(平成24)年4月: 「
銀河3号
」、「光明星3号」(失敗)
2012(平成24)年12月: 「銀河3号」、「光明星3号2号機」(成功)
名前
「テポドン」という呼称は、北朝鮮北東部沿岸地域にあるミサイルの発射場の地名「大浦洞」から、アメリカが付けた呼び名であり、北朝鮮の公式名ではない。
北朝鮮はこれを、衛星打ち上げ用ロケットとしており、初期には「白頭山」(<PAEK><TU><SAN>、ペクトゥサン)、現在は「銀河」(<EUN><HA>2<HO>、ウナ)だと主張している。
「テポドン2号」のうち、改良型は一貫して「銀河」であり、いかにも衛星打ち上げ用途を思わせる白いロケットの姿が公開されている。
なお、北朝鮮の公称としては他に、スカッド改は「火星」、
ノドン
は「木星」であった。基本的には宇宙を思われる名前から選ばれるようである。
沿革
テポドンと、それに関わる政治動向は以下の通り。
1998(平成10)年8月31日 ‐ テポドン1号発射、弾頭が日本列島を越え三陸東方沖に着弾
2002(平成14)年9月 ‐ 小泉純一郎首相が訪朝し金総書記と初会談、ミサイル発射凍結延長などを明記した日朝平壌宣言を発表
2004(平成16)年5月 ‐ 小泉首相が再訪朝、金総書記とミサイル発射凍結を確認
2006(平成18)年2月 ‐ 北京にて日朝政府間協議、北鮮は日朝平壌宣言のミサイル発射凍結を破棄する旨、通告
2006(平成18)年7月5日 ‐ テポドン2号を含む弾道ミサイルを7発を連続発射
2009(平成21)年2月 ‐ テポドン2号改良型の発射準備が進んでいることが発覚
2009(平成21)年4月5日 ‐ テポドン2号改良型「
銀河2号
」を日本・
太平洋
に向け発射、「光明星3号」打ち上げ失敗
2012(平成24)年3月 ‐ テポドン2号改良型の発射準備が進んでいることが発覚
2012(平成24)年4月13日 ‐ テポドン2号改良型「
銀河3号1号機
」を発射、失敗
2012(平成24)年12月12日 ‐ テポドン2号改良型「
銀河3号2号機
」を発射、「光明星3号2号機」打ち上げ成功
軍事面での検証
要点
軍事的に見た場合、それがミサイルであれ、衛星打ち上げ用ロケットであれ、大した差はない。
それだけのペイロードを、それだけの距離運べるロケットを保有しているということは変わりがないわけであり、これが重要なことだからである。
北朝鮮の能力
テポドン1号は二段式ロケットだが、この1,600kmというのは当該仕様においては最大射程に近いと考えられる。
一方、テポドン2号改良型は三段式ロケットと見られている。もし実際に三段式ロケットの開発能力を保有しているならば、その射程は遙かに延び、ICBMの領域に達すると考えられる。
日本から見た場合
日本にとっては、テポドンの1号、2号、2号改良型、何れでも直接の関係は無い。なぜならば、日本向けには既に「
ノドン
」というミサイルが開発され、実戦配備されているからである。
テポドン、ないしその更なる改造型が脅威を与えるのは、アメリカであって日本ではない。これはテポドン発射実験後のアメリカの北朝鮮に対する宥和政策を見ても明らかである。
弾道ミサイルの場合、衛星打ち上げの時よりも遙か高くを飛翔する(高度600km〜1000km)。北朝鮮から発射した場合、一段目が日本海ないし日本に落下する危険性があるだけで、失敗がなければ日本通過時点で既にミサイル本体は1000km近く上空を通過しており、日本への影響は皆無である。
ただ、そこは粗悪な朝鮮製であるので常に失敗の危険があり、目標がアメリカであったとしても日本の上空を通過する以上、日本に無関係であっても、日本への驚異がゼロとはならないため、危険視されている。
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