BREW
読み:ブリュー
外語:BREW: Binary Runtime Environment for Wireless

 QUALCOMMが開発した携帯電話機向けアプリケーションプラットフォーム
目次

概要

趣旨
 米QUALCOMMが2001(平成13)年1月31日に発表したもので、ARMアーキテクチャである同社MSM上で動作するオペレーティングシステム、AMSS上で動作する。
 BREWは、コンパイルして作られたバイナリ(ネイティブコード)を直接実行することを最大の特徴とする。
 そのため、開発言語もC/C++Pascalをはじめとして全てのコンパイル言語を利用することができる。また、BREWはJavaアプリケーションと比べて、容量、速度、開発コストの点で優れている。

Javaとの違い
 Javaとの最大の違いはBREWはネイティブコードを用いることである。
 JavaがJava言語で書いたプログラムをJVM上で動作させるのに対し、BREWはARMで利用される前提であり、任意の言語で書いたプログラムをアプリケーション実行環境BREW AEEを利用して実行する。
 BREW AEEは、タスク管理やファイル管理などを行ない、またそれを操作するためのAPIを提供している。

特徴

構造
 大きく、QUALCOMMが提供するチップセット(MSM)に含まれる機能と、それを利用して携帯電話機メーカーが作る機能とに分けられる。
 チップセットは端末ごとに変化するが、その違いをBREW層が吸収するため、上位層と下位層の切り離しに成功している。
 このため、アプリケーションはMSMが変化しても変更無く動作でき、またMSM側も、自身の仕様変更に伴うプログラムの変更をアプリケーション側に要求しなくて済む。

バージョン
 2009(平成21)年現在普及していたのは「BREW 3.1」であった。

デメリット
 バイナリコードを直接実行するため、高速で、また適用範囲や可能性は高いが、仮想マシンではないため、メモリー破壊、メモリーリークをはじめとするバグが発生したときや、悪質なプログラムが登場したときの対処が問題となる。
 そこで、BREWアプリケーションはQUALCOMMのTRUE BREW互換性テストを受けなくてはならない。その上で、QUALCOMMはそのアプリケーションに互換性テストを通過したことを示す電子署名を行なう。これは有償である。

日本での普及とその後
 日本では2002(平成14)年2月に発売されたauのcdmaOne端末C3003Pが初めてのBREW対応機となる。
 そしてユーザーがダウンロードして利用できるようになった初の機種が2003(平成15)年2月に発売されたauのCDMA2000 1x(後のCDMA 1X)端末A5304Tである。
 auのサービスとしては、当初は「EZアプリ (BREW)」、その後「EZアプリ (B)」などと呼ばれていた。BREWは、対応機種は少なくなかったものの、普及したとはとても言い難い。そして、Android普及後はほぼ廃れた状態である。

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