サイトローカルユニキャストアドレス
読み:サイトローカルユニキャストアドレス
外語:Site-Local Unicast Address
IPv6アドレスの一つで、同一サイト内でのみ有効となるIPv6のユニキャストアドレスのこと。
概要
IPv4における、プライベートIPアドレス(192.168.0.0/16のようなもの)に相当する。
インターネットに接続されていないネットワーク内で、自由に利用できるIPv6アドレスとして定義された。
利用は、特定のサイト内に限定される。また、アドレス構造にサイト自体を識別する情報が存在しないため、異なるサイトでアドレスが重複する可能性がある。
2004(平成16)年9月にRFC 3879によって廃止された。
特徴
範囲
次の範囲が定義されていた。
具体的には、次の範囲である。
- 開始: fec0:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000
- 終了: feff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff
約3323溝個分の領域があり、IPv6全アドレス空間のうち、1/1024を占めるアドレス空間であった。
構造
2003(平成15)年4月に発行されたRFC 3513で、先のRFC 2373は破棄されて新たな割り当てポリシーが決定した。これが現行のルールとなっている。
- 10ビット: 形式プリフィックス (1111111011)
- 54ビット: サブネットID
- 64ビット: インターフェイスID
プリフィックスは2進数で1111111011であり、従ってこのアドレスはFEC0::/10となる。
廃止
IPv4で言うところのプライベートIPアドレスとほぼ同じ発想の仕様だった。これは同時に、IPv4の頃の問題点をそのままIPv6に持ち込むことを意味していた。
中でも、スコープ(サイト境界)の定義があいまいになることと、サイトの併合時に重複が発生することが問題視された。特に後者はNATを助長することとなり、NATを毛嫌いするIPv6開発メンバーから嫌われたことが廃止の主たる理由だった。
ローカルアドレス自体は必要と言う認識から、この代わりとして提案されたものが、ユニークローカルユニキャストアドレスである。
再検索