UFS
読み:ユーエフエス
外語:UFS: Universal Flash Storage
フィンランドのNokiaを中心とした電子機器メーカーが提唱した
メモリーカード
の規格。
目次
概要
特徴
技術
カード
速度
バージョン
バス(インターフェイス)
UFS UME
その他
対応OS
由来
当初
つかみはNG
バス規格として
遂にカードも登場
概要
microSD
など
SDメモリーカード
の対抗として登場した。仕様はJEDEC標準となっている。
カードの仕様のほか基板に搭載されるメモリー用バスの規格もあり、こちらは
eMMC
の後継となった。
なお、UFS 1.0のメモリーカードが実際に登場したのは2016(平成28)年7月である。
特徴
技術
物理層のバスインターフェイスとして、スマートフォン用チップセットなどで普及している
MIPI
が採用された。
カード
UFS拡張カードは、
microSD
とほぼ同じ大きさで、形状も似ている。しかし互換性はもちろんない。
速度
UFS 1.0では、データ転送速度は3.0Gbpsである。
UFS 2.0では、物理層「M-PHY HS-G3」が1レーンで5.8Gbps、2レーンで11.6Gbpsとなった。
バージョン
バス(インターフェイス)
バスとしての規格は、カードの速度を決める重要な要素である。
UFS 1.0 ‐ JESD220
UFS 1.1 ‐ JESD220A
UFS 2.0 ‐ JESD220B (2013(平成25)年9月)
UFS 2.1 ‐ JESD220C (2016(平成28)年3月)
UFS UME
UFS Unified Memory Extension (UFS UME) は、いわゆるメモリーカードとしての規格である。
UFS UME 1.0 ‐ JESD220-1
UFS UME 1.1 ‐ JESD220-1A (2016(平成28)年3月30日
その他
UFSとしてはほかに、HCI(ホストコントローラーインターフェイス)である「UFSHCI」の規格、UFS UMEに対応したUFSHCI UMEの規格、テストのための規格などが定められている。
UFSHCI
UFSHCI 1.0 ‐ JESD223
UFSHCI 1.1 ‐ JESD223A
UFSHCI 2.0 ‐ JESD223B
UFSHCI 2.1 ‐ JESD223C
UFSHCI UME
UFSHCI UME 1.0 ‐ JESD223-1
UFSHCI UME 1.1 ‐ JESD223-1A
UFS (Test)
UFS (Test) ‐ JESD224
対応OS
OSとして対応するのは、次の通りである。
Microsoft Windows 10 (要アップデート)
Linux (正式な対応バージョンは未確認)
Android (採用するLinuxカーネルでの対応次第)
由来
当初
もともとは、
SDメモリーカード
陣営から外れたメーカーが、SDメモリーカードの「対抗」を作ることを目的として集まり、規格策定を始めたものだった。
曰く、「従来、メモリーカード規格は様々なものが存在するが、規格が異なると使い回すことができない。そこで、同じカードを
デジタルカメラ
、
携帯電話
、
携帯音楽プレイヤー
などで共通的に使える、業界統一の次世代メモリーカード規格を作ることで合意が成立した」(意訳)と発表された。
この時に同意した7社は、順不同で次の通り。
芬・Nokia
米・マイクロン
南鮮・サムスン電子
英・ソニー・エリクソン
米・スパンション
仏伊・STマイクロ
米・テキサス・インスツルメンツ
つかみはNG
しかしながらユーザーは、
SDメモリーカード
および後継や小型品で何も困っていなかった。
というよりむしろ、これ以上余計な規格は不要とさえ考えていた。
そのような中で、「規格が違って使いまわせない」というUFS陣営の主張にも難点があった。実際のところ、UFS陣営に参画したソニーが
メモリースティック
を辞めさえすれば、ほぼ
SDメモリーカード
で統一されてしまうため「規格が違って使いまわせない」という「問題点」は万事解決という弱点が存在していたからである。
つまり、負け組陣営が起死回生のために消費者無視で新規格を作ろう、というのが現実だったのだが、結果としてこれは消費者にはあまり歓迎されず、つかみはNGだった、ということである。
バス規格として
カードには、物理的な形状の仕様と、インターフェイスの仕様とが存在するのが常である。
例えば
SDメモリーカード
は、それ以前に使われていたメモリーカードの
MMC
が元となる規格だが、MMCはSDに道を譲った後は
eMMC
として内蔵用メモリーで使われるインターフェイスとして生き残り、これが広く普及した。SDにもインターフェイスだけの規格
eSD
(Embedded SD)はあるが、これは全く普及しなかった。
一方、UFSは発表以降ただの一度もメモリーカードとして市場投入されたことはない状況でJEDEC標準となり、インターフェイスだけが内蔵用メモリー用として規格化され、遅すぎるeMMCの後継が目指された。
参考までに、2014(平成26)年頃に販売されるであろう
スマートフォン
の主流はQUALCOMMの
Snapdragon
チップセットが対応していたeMMCだった。しかしそれから数年後にはQUALCOMMのチップセットでもeMMCからUFS 2.0へと対応が移り代わっており、このため内蔵メモリーとしてはUFSが当たり前として使われることになると見込まれる。
但し内蔵メモリーがどう変化しようが、一般のユーザーにとっては何の関係もない話である。そして――
遂にカードも登場
2016(平成28)年7月、
南鮮・サムスン電子
は、UFS 1.0拡張カード標準に準拠した、世界初のUFSカードを発表した。
32GB/64GB/128GB/256GBの4つの容量の製品が用意される。256GB(正確にはおそらく256GiB)モデルではシーケンシャルリード530MB/sとされており、SATA 6Gbps接続のSSD相当の速度で、9ピンSDでの最速仕様である
UHS-I
のmicroSDカードの5倍速となる。
ランダムリードは40,000IOPSとされ、これはmicroSD比20倍としているほか、シーケンシャルライト(書き込み)もUHS-I microSDの4倍以上の速度を謳っている。
参画しているサムスンやNokiaのスマートフォンは、メモリーカードとしてmicroSDではなくUFSを採用する方向で動くだろうが、それが普及するかどうかは市場が判断することである。
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