Slax
読み:スラックス
外語:Slax

 Linuxディストリビューションの一つ。Slackware系ディストリビューションに属する。
目次

仕様

概要
 Slackware Linuxをベースにしたチェコ発のLiveCD。Slackwareのシンプルさを武器に、CDからの起動でもHDDからのOS起動と遜色ない起動速度を実現している。
 Slackware系らしく、LZMAでアーカイブしただけのシンプルなバイナリパッケージ(モジュール)が特徴である。

特徴

用途
 元々のバージョンはOS全体のファイルサイズが200Mバイトを切っており、LiveCDメインのディストリビューションとしても小さめの部類に入る。
 このため追加のモジュールを含んだ独自のCD-ROMを作る際にも容量的に十分な余地がある。実際にSlaxのモジュールを入れ替えた(追加した)派生ディストリビューションもいくらか存在する。
 デスクトップ環境にKDE(現行のバージョンではKDE3)を採用しており、直感的な操作が可能である。
 CD-ROMのほかにもUSBメモリーHDDなど様々なデバイスからの起動が容易に可能である。

パッケージ管理システム
 SlaxはSlackware系らしく単純明快なパッケージ管理が行なわれる。
 なおSlaxではパッケージにあたるものはモジュールと呼ばれる。

基本動作
 モジュールはそれぞれが独自のlzm形式としてアーカイブされている。
 起動中はそれらアーカイブをダブルクリックするか、activateコマンドなどを使うことで有効化無効化を容易に行なえる。
 もちろん依存関係のチェックは行なわれないので、有効化したいモジュールが他の有効化されていないモジュールに依存する場合、それらのモジュールも逐次有効化する必要がある。

起動時
 モジュール有効化の仕組みはOS自体の起動時にも利用される。OSの核となるファイルはブートの仕組みとカーネルほか数ファイル以外はモジュール化されており、起動時に展開(有効化)されてから処理される。
 なお標準で有効化したいモジュールは所定のディレクトリにそのファイルを置いておくだけで起動時自動的に有効化されるようになっている。

入手
 モジュールは主にWebページ上で公開されており、追加の際はそれをwgetなどでとってくる形になる。
 また、自分で追加モジュールを組み合わせて、それらを最初から含んだ独自のCDイメージをWeb上で作成するというサービスもある。

ポータブルなシステム

変更点の保持
 基本的に書き換え不可能なCD-ROMからの起動が前提である。
 標準のファイル構成から変更されたファイルのみをデータ保存用のディレクトリ内に記録することで、変更点を保持している。
 このため、起動時にデータ保存用のディレクトリを読み込まなければ、「白紙」の状態でいつでも使用できる。

起動方法
 CD-ROMからのほかにUSBメモリーからの起動も容易に出来るようになっている。それゆえLinuxでは珍しく標準のファイルシステムFAT32である。
 このため副次的な効果として、モジュールの出し入れやSlaxのCDイメージ化などはWindows上で全て出来るようになっている。

日本語化
 slax-jaライブCDの部屋にて、それぞれの方向性で別々に日本語化の作業が行なわれている。
 slax-jaはSlaxデフォルトを日本語化するのみのシンプル志向で、ライブCDの部屋は日本語化とともにモジュールを追加して入れる多機能化志向である。

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