SH-1
読み:エスエイチワン
外語:SH-1
かつて日立製作所の半導体部門(現ルネサス)の開発した組み込み用32ビットRISCマイクロプロセッサーコアの名で、SuperHシリーズの一つ。
概要
マイクロプロセッサーコアは、20MHz動作で26MPISの処理速度を持つ。5Vの製品と3.3Vの製品がある。
なお、SH-1というのはあくまでもマイクロプロセッサーコアの名であり、SH-1という製品はない。様々な周辺回路を実装しパッケージ化したものが実際の製品である。名称は二通りあり、SH7xxxというのがグループ名で、この中で仕様に応じてHD64x7xxxという型名が付けられ、製品として販売されている。
現在入手可能なものに、次のようなものがある。
セガサターンでは、SH7034相当のHD6437095がCD-ROM制御用に使われた実績がある。
現在では既に古いプロセッサーであり、SH-1は収束の方向である。
特徴
仕様
- 32ビット汎用レジスター (16本)
- 16ビット乗算器
- 16×16→32の乗算
- 16×16+42→42の積和演算
- 16ビットタイマー
- ADコンバーター (10ビット×8チャンネル)
- DMAコントローラー
- I/Oポート (I/O×32、IN×8)
- シリアルコミュニケーションインターフェイス
- 割り込みコントローラー(INTC)
- メモリーインターフェイス機能 (SRAM/DRAM直結可能)
- ユーザーブレークコントローラー(UBC)
- バスステートコントローラー(BSC)
- 内蔵メモリー
- 内蔵ROM
- SH7020シリーズ (32Kiバイト、16Kiバイト、なし)
- SH7030シリーズ (64Kiバイト、なし)
- 内蔵RAM
- SH7020シリーズ (1Kiバイト)
- SH7030シリーズ (8Kiバイト、4Kiバイト)
- パッケージ
- SH7020シリーズ (TQFP-100)
- SH7030シリーズ (TQFP-120、QFP-112)
基本的なアーキテクチャー
SH-1には、32ビットの汎用レジスターが16本あり、16ビット固定長の命令セットを使うことでコード効率を高めている。この基本仕様は以降、SH-4Aにも引き継がれている。
アドレスバスは32ビットであるため、理論上は最大で4Giバイトまでのメモリー空間が利用できるが、実際にメモリーを接続できる空間はより狭い。
命令は56種類。うち基本命令は1命令/1ステート(20MHz動作時は50ns/命令)で処理される。
16ビットの乗算器が内蔵されており、16ビット×16ビット→32ビットの通常の乗算や、16ビット×16ビット+42ビット→42ビットの積和演算を2〜3ステート(100ns〜150ns)で実行することができる。
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