M86
読み:エムはちじゅうろく
外語:M86

 おとめ座方向に見に見られるレンズ状銀河。
目次

情報

基本情報

物理的情報

観測情報

主なカタログ番号

特徴

観測
 M84の近くに観測され、それらとともにマルカリアンの鎖と呼ばれる銀河の並びを構成する。
 M86はメシエ天体の中で最も大きく青方偏移する天体であり、つまり銀河系の方向に近づいていることを示す。これはこの銀河が銀河系からみておとめ座銀河団の中心から向こう側にあり、なおかつおとめ座銀河団の中心に向かって移動しているためで、それがたまたま銀河系の方向なためである。おとめ座銀河団自体は時速約300万キロメートルで遠ざかっているが、M85は時速約500万キロメートルで中心部に向かい落ち込んでいるため、差し引き時速約150万キロメートルで銀河系に近づいて見えるわけである。

NGC 4438とのリンク
 X線天文衛星チャンドラの観測では、この銀河から剥ぎ取られたと思しきガスが長さ20万光年ほど伸びている、とされた。
 また幾つかの観測により、M86からイオン化したガスの帯がマルカリアンの鎖として隣接するNGC 4438へと伸びており繋がっていることが確認されている。これはNGC 4438との重力相互作用によるものと考えられる。

銀河ハロー
 M86の銀河ハローには膨大な数の球状星団が存在しており、その数は約3800個ともされる。
 またこのハローには、この銀河に吸収された矮小銀河の残骸と思われる多数の恒星流が確認されている。

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