読み:かび
外語:mold

 真核生物微生物のうち、いわゆる菌類の一種で、多細胞の糸状菌類の一種。
目次

特徴
 黴は植物ではなく、光合成は行なわず、他の生物に寄生して生きる生物である。
 有毒物質を出すものから、麹菌のように人に有益なものまで、様々なものが知られる。
 繁殖は胞子を作ることにより行なう。有性生殖のものと、無性生殖のものとがある。

黴と食品

黴が生える
 肉や穀物などの食品などを放置すれば、やがて「黴が生える」。
 黴の菌糸というのは微小であり、そのままでは肉眼では見えない。さて、この黴が生えるという現象は、人間の目に見えるほど大量に、菌糸がその場に集まった(コロニーを作った)、ということである。
 このように黴が生えた状態では、目には見えないが既に黴の菌糸はその食品全体に広がっており、食品の腐敗はかなり進んでいると考えられる。
 従って、黴の見える所だけ除去すれば良いというものではなく、余程の事情がない限りは、黴の生えた食品は、食べない方が賢明である。

黴を生やす
 勝手に黴が生えるのと、人為的に食品に黴を生やすのは、似て非なる事である。
 人間が利用するのは、それまでの食経験上、安全な種類の黴であり、これを用いて食品を驢ア酵させてより美味しいものとする。
 ブルーチーズの青黴や、カマンベールチーズの白黴は安全な種類の黴で、無毒である。日本酒を作る時に使う麹菌も黴の一種であるが、これも無毒である。
 しかし、同じように見える青黴でも、餅に勝手に生えてくる青黴では黴が異なり、これは有毒なのである。

黴毒
 黴の種類によっては、その生育に際して二次的代謝物として黴毒を作る。
 黴毒は強力で、強力な発がん性物質でもある。熱にも強く、煮たり焼いたりした程度では壊れない。

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