発光ダイオード
読み:はっこうダイオード
外語:LED: Light Emitting Diode

 ダイオードのうち、光るもの。光源の一つ。英語を略して「LED」と呼ばれることが多い。
目次

概要
 p型半導体n型半導体の接合に電流を流すと界面から発光する性質を利用した半導体素子。
 パイロットランプやフォトアイソレータなど様々に利用されており、現在ではLED電球やLED蛍光灯など、より本格的な光源としての用途がある。
 
 LEDはダイオードなので、光らないダイオードと同様に順方向の定電圧特性も持ち、約2Vの順方向電圧低下となる。

歴史

日本の技術
 LEDの発明そのものは日本人ではないが、その改良および実用化において、日本人の貢献が数多く存在する。
 LEDを実用化したのは日本と言っても過言ではない。

LEDの色
 LEDの発光色は、使用する素材に応じて変化する。
 赤外線〜可視光〜紫外線と、幅広い周波数帯で発光することができる。
 照明として利用する場合などでは可視光を強める必要があり、これは蛍光塗料の併用などで実現することが多い。

赤色LED
 元々半導体は赤外線域の発光を持つものが多く、不純物の化合により発光の増幅や可視光域化を行なう。ゆえに赤外に近いほど製造が簡単で、紫外に行くほど困難というのが半導体発光技術の根幹にある。
 そのため、LEDが発明された当初は赤色のものしかなかった。

高輝度の赤/緑LED
 高輝度の赤色LED/緑色LEDを実用化したのは、西澤潤一(当時は東北大学工学部教授)である。

黄緑色/青色LED
 後に黄緑色、次いで青色発光ダイオードも開発された。
 ただし当初これらは材質がSiCであったため暗く、あまり実用にならなかった上に価格も高かった。

高輝度青色LED/純緑色LED
 1990年代(平成)になって、GaInN(ガリウムインジウム窒素)を材質とするものが発明され、紫〜青〜緑色系のもので、明るさが従来(SiC材質)の100倍程度となり、従来の赤色LEDと同等以上の明度が得られるようになった。
 高輝度青色LEDの発明者は赤崎勇、量産技術の発明者は中村修二である。
 またこの成果により、以前は黄緑色しかなかった緑色系LEDも、この時に純な緑色が実現できるようになり、これに伴い、と光の三原色を実現することができるようになった。
 さらに、光の三原色が可能になった事で白色のLEDも実現できるようになり、この技術を応用した「LEDディスプレイ」や「LED蛍光灯」、「LED信号機」など、様々な分野にLEDが使用されるようになった。

多色LED
 
 現在市販されているLEDは三タイプある。
 二色LEDは赤と緑が入ったものが一般的で、緑・赤・橙(緑+赤)に光る。
 三色LEDは用途に応じて何種類かあるが、RGB(赤緑青)のものは光の三原色が再現可能で、白に光らせることもでき、このためフルカラーLEDとも呼ばれる。
 但し、赤緑色盲者には二色LEDの緑・赤・橙を区別できない人もいることを忘れてはならない。

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