狂犬病ウイルス
読み:きょうけんびょう-ウイルス
外語:Rabies virus
狂犬病を引き起こす病原体であるウイルスの名。日本、英国、スカンジナビア半島の国々などを除く全世界的に分布する。
情報
現在のウイルス学では、次のように分類される。
分類
学名
- 綱: 第5網(1本鎖RNA -鎖) (Group V)
- 目: モノネガウイルス目 Mononegavirales
- 科: ラブドウイルス科 Rhabdoviridae
- 属: リッサウイルス属 Lyssavirus
- 種: 狂犬病ウイルス Rabies virus
特徴
感染
狂犬病ウイルスは、リッサウイルス属に属する非分節型・直鎖一本鎖マイナス鎖RNAウイルスである。
長径60〜400nm、短径60〜80nmで、粒子型。10nmの突起を持った膜状のエンベロープで被われている。
犬、猫、狼、狐、蝙蝠(コウモリ)や囓歯類など様々な野生哺乳類が保有するウイルスであり、感染サイクルが成立している。感染獣の唾液に濃厚に含まれるため咬傷から感染するほか、吸血蝙蝠が住む洞窟あるいは実験室などでは汚染が濃厚であるため、経気道感染の可能性もある。
抗体酵素
大分大学は2012(平成24)年2月27日、狂犬病ウイルスを破壊する「スーパー抗体酵素」の開発に成功したと発表した。
狂犬病ワクチンを接種した人の白血球から抗体を持った遺伝子を取り出し、遺伝子を分離するなどして狂犬病ウイルスだけを破壊する抗体酵素を作ることに成功したとする。マウスを使った研究では、世界基準となる、感染後14日間の生存を果たしたとする。
人から取り出した抗体を持つ遺伝子を用いるのは世界初としているが、人への応用は今後5から10年程度を要するとしている。
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