燃料電池
読み:ねんりょうでんち
外語:FC: fuel cell

 水素などの燃料と酸素の化合反応を利用した電池
目次

概要
 水素などを燃料とし、空気中にほぼ無尽蔵にある酸素を酸化剤として使用し、相互を継続的に供給することで電気を作る一種の発電機だが、窒素酸化物などの大気汚染物質は殆ど発生しない。また、ほぼ無音で稼働する静寂性も特徴である。
 
 燃料電池は19世紀に発明されたが、高価であったため潜水艦やアポロ宇宙船などの特殊な用途で使われてきた。21世紀になると安価な触媒を用いることで低価格化が実現され、民生用として普及するようになった。

特徴

方式
 現時点で、主流となっている方式は次のものがある。表記には形/型で揺れがあるようだが、ここでは財団法人エネルギー総合工学研究所の資料での表記に従った。
 その他に、次のような方式を併用するものもある。

火力発電との違い
 通常の火力発電は化石燃料を燃やして発生した熱で水から水蒸気を作り、それでタービンを回して電気を取り出すという何重もの過程を経るためエネルギーロスが大きい。
 しかし燃料電池では化学反応によって電気を直接取り出すため非常に効率が良く、効率は約40%〜70%程度あり、排熱も利用すると更に高い効率が実現できる。
 燃料電池の最も一般的な方式は、「2H2+O2→2H2O」というの電気分解の逆反応となる。この方式では、最終的に出来るのは単なる水であり飲用にも使えるほか、発生した熱で水を沸かせばガスが遮断されても災害時の救援用として非常に有効に活用できる。
 民生用のものは、近年はメタノールを燃料に使用するものが多いようである。

燃料
 酸化剤は空気で、これは今後も揺るがないと考えられている。
 その中で、燃料を何にするかが、大きな研究や実用化の課題となっている。
 普及のためには、安価で、取り扱いが容易でかつ比較的安全でなければならないからである。
 現在の主流はメタノールなどの炭化水素を利用するが、燃料を燃やすために常に高温にせねばならず、小型化が難しかった。
 しかし2005(平成17)年6月9日号のnatureで、プロパンを燃料とするコイン程度の大きさの小型電池の開発に成功したと発表された。これは特殊な触媒を使う事でプロパンと酸素を反応させ、小型でも常時500℃程度の高温を保てたとされている。

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