毒茸
読み:どくきのこ
有毒の
茸
のこと。食べると、体調が悪くなったり死んだりする。
目次
概要
特徴
毒性分
見分け方
猛毒御三家
一覧
概要
茸は、食用として古くから珍重されているが、同時に
毒
を持ったものも多くある。
茸の毒は、少量でも人命に関わるほどの
猛毒
であることが多く、茸の季節には頻繁に食中毒や死亡事故などのニュースを耳にすることになる。
日本には数千種類の茸が自生するとされているが、そのうち数十種類が毒茸と言われている。
特徴
毒性分
毒茸の毒成分には様々なものがあるため、食べた時の中毒症状も様々である。
下痢
・腹痛などの軽い症状で済むものから、
幻覚
が見える茸、あるいは食べれば間違いなくお迎えが来る猛毒茸もある。蝿には猛毒でも人間にはそれほど強い毒ではないハエトリシメジ(蠅取占地)などもある。
幻覚
イボテン酸
(
ベニテングタケ
など)
ムスカリン
(ベニテングタケなど)
胃腸や臓器への障害
アマトキシン類 (タマゴテングタケなど)
イルジン (ツキヨタケなど)
アセトアルデヒド分解酵素阻害作用
コプリン (ヒトヨタケなど)
中には「食べ合わせ」で毒となるものもあり、ヒトヨタケ(一夜茸)は酒の分解を阻害する成分(コプリン)を含むため、酒と共に食べると酷く悪酔いし、酒量によっては急性アルコール中毒で死亡する可能性がある。
見分け方
古くから、食用茸と毒茸を見分けるための迷信が様々に存在する。
しかし現実には、食べる等しない限り、毒かどうかを識別する明確な方法はない。
派手な茸は毒と言われることもあるが、地味な毒茸も存在するので、これも明確な方法ではない。
猛毒御三家
日本の猛毒キノコにも様々あるが、特に「猛毒御三家」と呼ばれる茸は次の通り。これを食べて死んだ場合、皆の笑いものになる。
ドクツルタケ 真っ白で綺麗な茸でマッシュルームと見間違えやすいとされるが、欧米ではDestroying Angel(死の天使)の異名を持つ最強の毒茸。
人間
の
致死量
は数グラムなので、1本だけでも、食べればまず死ぬ。下痢が治まっても
内臓
が破壊され、概ね24時間以内にお迎えが来る。
変な臭いがするのが特徴らしい。
シロタマゴテングタケ ドクツルタケに似た白い茸だが、柄がつるつるとしているのが特徴。
毒性もトップクラスで、こちらも概ね食後24時間以内にお迎えが来る。
タマゴテングタケ 猛毒だが、傘が
茶色
系であるなど、色合いが上二つと大きく異なる。
タマゴタケと間違われやすいと言われているが、傘が赤いことが多いタマゴタケとは似てもにつかない。
中毒症状については上二つと同様で、下痢が治まっても内臓が破壊され、最悪の場合は数日中にお迎えが来る。
一覧
有名な毒茸に、次のようなものがある。
なお、[麻]を附したものは
マジックマッシュルーム
のうち、日本の法律で
麻薬
と同等の規制を受けているもの。つまり死ぬタイプの毒茸ではなく
幻覚
が見えるタイプの毒茸ということである。
ア行
アイセンボンタケ (藍千本茸) [麻] ハラタケ目モエギタケ科
アイゾメシバフタケ(藍染芝生茸) [麻] ハラタケ目モエギタケ科
アイゾメヒカゲタケ (藍染日陰茸) [麻] ハラタケ目ヒトヨタケ科
アセタケ(汗茸) ハラタケ目フウセンタケ科
イッポンシメジ(一本占地) ハラタケ目イッポンシメジ科
イボテングタケ(疣天狗茸) ハラタケ目テングタケ科
ウスタケ(臼茸) ラッパタケ目ラッパタケ科 (※同名別種の茸があるらしい)
オオシビレタケ(大痺茸) [麻] ハラタケ目モエギタケ科
オオワライタケ(大笑茸) ハラタケ目フウセンタケ科
カ行
カエンタケ(火炎茸/火焔茸) ニクザキン目ニクザキン科
カキシメジ(柿占地) ハラタケ目キシメジ科
ガンタケ(雁茸) ハラタケ目テングタケ科
キホウキタケ(黄箒茸) ラッパタケ目ラッパタケ科
キララタケ(雲母茸) ハラタケ目ナヨタケ科 (※酒と共に食べると有毒)
クサウラベニタケ(臭裏紅茸) ハラタケ目イッポンシメジ科
コテングタケ(小天狗茸) ハラタケ目テングタケ科
コテングタケモドキ(小天狗茸擬) ハラタケ目テングタケ科
コレラタケ(虎列剌茸) ハラタケ目フウセンタケ科
サ行
シビレタケ (痺茸) [麻] ハラタケ目モエギタケ科
シャグマアミガサタケ(赭熊網笠茸) チャワンタケ目フクロシトネタケ科
シロオニタケ(白鬼茸) テングタケ科テングタケ属
シロタマゴテングタケ(白卵天狗茸) ハラタケ目テングタケ科
スギタケ(杉茸) ハラタケ目モエギタケ科
スギヒラタケ(杉平茸) ハラタケ目キシメジ科 (※食毒不明だが中毒報告あり)
センボンサイギョウガサ(千本西行笠) [麻] ハラタケ目ナヨタケ科
タ行
タマゴテングタケ(卵天狗茸) ハラタケ目テングタケ科
タマシロオニタケ(球白鬼茸) ハラタケ目テングタケ科
ツキヨタケ(月夜茸) ハラタケ目ホウライタケ科
テングタケ(天狗茸) ハラタケ目テングタケ科
ドクササコ(毒笹子) ハラタケ目キシメジ科
ドクツルタケ(毒鶴茸) ハラタケ目テングタケ科
ドクヤマドリ(毒山鳥) イグチ目イグチ科
ナ行
ニガイグチ(苦猪口) イグチ目イグチ科
ニガクリタケ(苦栗茸) ハラタケ目モエギタケ科
ニセクロハツ(偽黒初) ハラタケ目ベニタケ科
ハ行
ハエトリシメジ(蠅取占地) ハラタケ目キシメジ科
ヒトヨタケ(一夜茸) ハラタケ目ナヨタケ科 (※酒と共に食べると有毒)
ヒカゲシビレタケ(日陰痺茸) [麻] ハラタケ目モエギタケ科
ヒカゲタケ (日陰茸) [麻] ハラタケ目ヒトヨタケ科
ヒメアジロガサ(姫網代笠) ハラタケ目フウセンタケ科
ヒメアジロガサモドキ(姫網代笠擬) ハラタケ目フウセンタケ科
フクロツルタケ(袋鶴茸) ハラタケ目テングタケ科
ベニテングタケ
(紅天狗茸) ハラタケ目テングタケ科
マ行
ミナミシビレタケ (南痺茸) [麻] ハラタケ目モエギタケ科
ヤ行
ヤブシビレタケ (藪痺茸) [麻] ハラタケ目モエギタケ科
ラ行
ワ行
ワライタケ(笑茸) [麻] ハラタケ目ヒトヨタケ科
和名なし
Psilocybe subcubensis [麻] ハラタケ目モエギタケ科
Psilocybe tampanensis [麻] ハラタケ目モエギタケ科
再検索