反ヘリウム
読み:はん-ヘリウム
外語:antihelium

 反粒子で作られる反元素の一つ。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 通常のヘリウムのように、次のような同位体が想定される。
 通常のものは、通常のヘリウムと同様に、質量数-4の最も単純なもので、反陽子反中性子陽電子おのおの2個から構成される。

特徴

性質
 反ヘリウムは反物質であり、反陽子と陽電子で構成される。
 加速器を用いた原子核の衝突から作ることができる。但しそのままでは物質と衝突して対消滅してしまうので生成に於いては高真空が要求され、かつ加速器にぶつからないように磁気トラップで反原子をトラップする必要がある。
 現時点で作られているのは質量数-4の4 ̄(He)のみである。

発見
 米ブルックヘブン研究所(BNL)での実験により反ヘリウム4が発見された。
 BNLの重イオン加速器RHICで約10億回の金原子核を衝突させ、生じた5000億の荷電粒子の軌跡を調査した結果、18例のみ、反ヘリウム原子核と思われる事例(質量が陽子のほぼ4倍で、電子2つ分のマイナス電荷を持った粒子)が見つかった。またこれは、計算上予測される反ヘリウムの生成確率ともよく符合するとされる。
 2011(平成23)年は、金箔にα線(ヘリウム原子核)を衝突させた実験からラザフォードが原子模型の着想に至った1911(明治44)年からちょうど100年目という大きな節目の年となる。そのような記念的な年に、反ヘリウム原子核が発見されたことになる。

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