ミューロケット
読み:ミューロケット
外語:mu rocket
東京大学宇宙航空研究所(後のJAXA宇宙科学研究本部(
ISAS
))が開発した、衛星打ち上げ用
固体燃料ロケット
。
目次
概要
シリーズ
ミサイル化
固体と液体
Μ-Vロケット
概要
固体燃料ロケット
でありながら、惑星探査まで実現する優れたロケットであり、もって固体燃料ロケットでは世界最強と評されるようになった。
名前のΜ(ミュー)は、先のロケット、
ラムダロケット
(λ)の次のギリシャ文字μから命名されたものである。
但し、中の人はこれを「エムロケット」と呼んでいる。Mがミューであることに対する強い思い入れはないらしい。
シリーズ
シリーズは第1世代から第5世代まである。
第1世代は四段式で
重力ターン方式
を採用した
Μ-4S
第2世代は三段式の
Μ-3C
、その改良型の
Μ-3H
第3世代は三段式の
Μ-3S
第4世代は後継の
Μ-3SII
第5世代は大幅な大型化を実現した三段式の
Μ-V
Μ-Vの後継は、
イプシロンロケット
とされている。
ミサイル化
固体と液体
現在の主力
H-IIAロケット
の場合、
ミサイル
転用の可能性は全くない。これは大型で、核弾頭でも充分搭載可能だが、機動性がゼロだからである。発射準備や燃料注入に何日も要し、天候が悪ければ打ち上げ中止になる。これでは、どう考えてもICBM(大陸間弾道ミサイル)には利用できない。実用にならないからである。
一方、ミューロケットは固体燃料ロケットなので、理論上はミサイル転用が可能である。このため、ミューロケット開発当時は、国家解体をもくろんだ日本社会党が何とかして開発を潰そうと画策したものである。
Μ-Vロケット
Μ-Vロケットはロケットとしても数々の華々しい実績を上げている。ミサイルとしての実績はゼロだが、世界的には注目されており、事実上のICBMとみなされている。しかし、Μ-Vを仮に弾道ミサイルとして使用しようとした場合、様々な欠点が出てくる。
ICBM程度の利用では、大きすぎ、高価すぎ、無駄である。
製造工程で手作業が多すぎ、量産に向かない。
発射場所が内之浦に固定されていて移動できないため、発射前に爆撃される。
発射準備、管制に手間が掛かりすぎる。
つまるところ、ミサイルとして使うことは不可能ではないが、非現実的であるといえる。簡単には、繊細で手間が掛かり、非常に高価で、そのうえ発射までに7週間も掛かるようなミューは、ミサイルとして使えるわけがないと云うことである。
そこで、これらの欠点の全てを解決しようとするのが、後継の
イプシロンロケット
ということになる。この新型のロケットは、確実に世界中から猛烈な注目を浴びることになるだろう。
再検索