固体燃料ロケット
読み:こたいねんりょうロケット
外語:Solid Fuel Rocket

 固体の燃料を用いるロケット。「固体ロケット」ともいう。
目次

概要
 日本のJ-Iロケットミューロケットなどがその代表例である。
 酸化剤と燃焼剤を混ぜて固めた燃料を容器の中に入れ、後端に燃料ガスが放出される穴と安定飛行させるための円錐型のスカートをつけるだけで出来上がる。高校化学程度の知識があれば誰にでも簡単に作れることから中世には既に実用化され、元寇の際に元の兵士が使用したという記録もある。

特徴

燃料
 使われる燃料は大きく、黒色火薬、コンポジット燃料、ハイブリット燃料に分類できる。
 燃焼剤(ポリブタジエン系液体合成ゴム等)と酸化剤(過塩素酸アンモニウム等)を均一に混ぜて固めたものを燃料として使用する。例えばNASDAのSRB(H-IIの固体ロケットブースター)では、ポリブタジエン14%、アルミニウム粉末18%、過塩素酸アンモニウム68%のコンポジット燃料である。

利点と欠点
 固体燃料ロケットは、なんとも汚らしい色の煙が特徴。どちらかというと有害っぽい。
 固体燃料ロケットは比較的構造が簡単で部品点数も少なく、開発や設計、取り扱いが容易であり信頼性も高い。また液体燃料を使うものと比較しても、より大きな推力が得られる。
 但し、一度着火した後は消したり着けたりできないため推力の制御ができず、正確な誘導制御が難しいという欠点がある。一度着火し発射したら、速やかに最高速に達し、そのまま燃料が尽きるまで一気に飛び続ける。ミサイルならまだしも、ロケットに使用するにはペイロードに対するGの影響を考慮せねばならず、また人間が乗るのはまず不可能である。
 固体燃料ロケットの欠点としては、次のようなものがある。
 この結果、固体燃料ロケットの場合は、必然的にオーダーメイドになりがちである。日本で開発中のイプシロンロケットは、この改善を目標としているらしい。

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