D種接地
読み:でぃーしゅせっち

 接地のうち、300V以下の低圧電気機械器具、金属製外箱や金属管など施すもの。またはその工事(接地工事)。
目次

概要
 接地住宅や業務用施設で用いる電化製品向けであり、コンセント、照明、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機その他で使用される接地である。
 接地抵抗値は100Ω以下を確保するように接地極用接地棒を埋設する。

特徴

緩和規定
 なお、電気設備の技術基準の解釈 第17条 第4項に次のように定められている。
 接地抵抗値は、100Ω(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒(0.6cBeat)以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500Ω)以下であること。
 従って、原則100Ω以下を確保するが、いわゆる漏電遮断器がある場合は500Ω以下で良いことになっている。

接地線
 電気設備の技術基準の解釈の定めにより、接地線は原則として引張強さ0.39kN以上の金属線か直径1.6mm以上の軟銅線を使用しなければならない。
 接地線の太さはB種接地と同様で、内線規程に定めがあり、次の式である。
 断面積〔mm2〕=0.052×定格電流〔A〕
 保護する遮断器の電流値によって変化することになるが、定格20ATの遮断器で保護された系統の負荷であれば、0.052×20=1mm2以上と求まる。存在するIVで最も近いのは1.25sqの製品であるので、この線で接地するのが適切であることが分かる。

水道管
 例えば電気洗濯機などで、アースが簡単にできない時、水道の蛇口にアース線を繋ぐようなことが昔はよくあった。これは、昔の電気設備の技術基準の解釈で認められていたことが由来である。ただ、これがアースとして有効なのかどうかは、実際に計測してみないと分からない。
 蛇口から道路下に埋まっている水道管まで全部鉄管であるなら、電気的には有効ではある。しかし現実には鉄管は見えているところだけで、そこから先は硬質塩化ビニルパイプやポリエチレンパイプになっていることが多く、この場合はアースとしては全く機能しない。
 こういった現状ゆえに、電気設備の技術基準の解釈 第18条 第3項に次のような既定があったものが、2013(平成25)年5月の改正で削除された。
 第18条 (略)
 2 (略)
 3 地中に埋設され、かつ、大地との間の電気抵抗値が3Ω以下の値を保っている金属製水道管路は、次の各号により接地工事を施す場合に、これを第17条第1項から第4項までに規定する接地工事の接地極に使用することができる。
 一 接地線と金属製水道管路との接続は、内径75mm以上の金属製水道管の部分又はこれから分岐した内径75mm未満の金属製水道管のその分岐点から5m以内の部分で行うこと。ただし、金属製水道管路と大地との間の電気抵抗値が2Ω以下である場合は、分岐点からの距離は、5mを超えることができる。
 二 接地線と金属製水道管路との接続箇所を量水器より水道需要家側に設ける場合は、量水器を挟んで堅ろうなボンドを取り付けること。
 三 接地線と金属製水道管路との接続箇所を人が触れるおそれがある箇所に設ける場合は、損傷を防止するように防護装置を設けること。
 四 接地線と金属製水道管路との接続に使用する金属体は、接続部分に電気的腐食を生じないものであること。
 以上が削除されているため、現在では水道管を接地極として利用できなくなっている。

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