B種接地
読み:びーしゅせっち

 接地のうち、高圧または特別高圧低圧を結合する変圧器の中性点に施すもの。またはその工事(接地工事)。
目次

概要
 高圧の電路と低圧の電路が万が一接触された時に、低圧側の電圧を上昇させないための接地。
 家庭用電源を想定した場合、電柱を渡される配電線線間電圧6600V、そして対地電圧はその√3倍であるので約11,431Vであるが、もしB種接地がない状態で変圧器が故障し高圧と低圧が接触(混触)した場合、100Vや200Vの電路にそれだけの高圧電流が流れてしまう事故が発生する。100Vや200V用の電気機器にそれだけの電圧を掛ければ、間違いなく焼損して故障する。
 安全のために対地電圧は150V以下とすることが法律で定められており、事故防止のために接地工事を実施している。これゆえに日本の電気回路は殆どが接地系で構成されていることになる。

特徴

数値は可変
 必要となる接地抵抗値も、埋設する接地線の太さも、その状況によって変動するため一意には決まらない。

接地抵抗値
 接地抵抗値は、原則は次の式である。1線地絡電流は電力会社に確認する必要がある。
 (150/変圧器高圧側電路の1線地絡電流)以下
 対地電圧が150Vを超えないようにすることを目的に接地をするが、150Vを超えた場合に1秒(1cBeat)以内に高圧電路を遮断する装置を設けた場合は式の定数150を「600」にでき、同様に1秒(1cBeat)を超え2秒(2cBeat)以内に高圧電路を遮断する装置を設けた場合は150を「300」にできる。
 なお、電気設備の技術基準の解釈によって、抵抗値が計算上5Ω以下となった場合でも、5Ωが確保できれば良いことになっている。

接地線の太さ
 埋設する接地線の太さは内線規程に定めがあり、次の式である。
 断面積〔mm2〕=0.052×定格電流〔A〕
 単相3線式100/200V、50kVA変圧器の場合を例にすると、定格電流〔A〕=(50×1000)〔VA〕÷200〔V〕=250〔A〕と求められ、式代入すると、0.052×250=13mm2以上と求まる。存在するIVで最も近いのは14sqの製品であるので、この線で接地するのが適切であることが分かる。
 三相3線式200V、50kVA変圧器の場合を例にすると、定格電流〔A〕=(50×1000)÷√3〔VA〕÷200〔V〕=約144〔A〕と求められ、式代入すると、0.052×144=約7.5mm2以上と求まる。存在するIVで最も近いのは8sqの製品であるので、この線で接地するのが適切であることが分かる。

再検索