和食
読み:わしょく
日本の伝統的な
食文化
。日本料理。
目次
概要
特徴
調理
傾向
食材
洋食から変化したもの
本国には存在しない料理
調味料
主な和食
ご飯/米料理
汁料理
麺料理
焼き料理
炒め料理
蒸し料理
揚げ料理
煮物
鍋料理
刺身
練り物
和え物
漬物
その他の日本の料理
焼き料理
中華から変化したもの
洋食から変化したもの
飲み物
酒
茶、ソフトドリンク
補足
概要
日本は、四方を海に囲まれ、山の多い国である。
結果として、海辺では魚介類である「海の幸」を使った料理が主であり、山地ではきのこや山菜等の「山の幸」が用いられる。
また、海から山へ、山から海へとこれらの幸が運ばれ、その地域では取れない食材も珍重され食べられている。
このように、地域ごとに環境が異なることから、それぞれの地域独特の食文化があり、これらの集大成が日本の食文化だと言える。
なお、お好み焼き等、日本の料理であっても伝統的でないものは和食のカテゴリーに含めない。
特徴
調理
全体として、以下の特徴がある。
和食の基本は
出汁
と素材の味
余計な
調味料
を加えることを良しとしない
見た目も、素材や調味料の色、素材の形などを大切にする
味噌
・
醤油
鰹・煮干し・昆布・
椎茸
傾向
素材は鮮度を重視する。
味付けは塩が基本となり、これに旨味をもった出汁や、醤油、味噌などの発酵調味料を加える。
炒め料理や揚げ料理では油を使うが、それ以外では油は殆ど使わない。
食材
基本的な食材は、日本で古くから得られるものである。
米などの穀物
野菜
、豆、山菜類
果物
魚や貝などの魚介類
海藻
鶏肉
、鯨肉
獣肉は主として鶏肉で、これに鯨が加わるのが一般的であった。昨今は外圧により鯨が捕りにくくなっている。
牛肉
や
豚肉
などは近年使われるようになった食材である。例えば和食として扱われる「肉じゃが」は一般に牛肉を使うが、これは明治期に洋食を参考にして作られた料理とされている。
洋食から変化したもの
輸入された食材や料理を、日本風にアレンジして普及する例もある。
カレーライスなどは、インド→イギリス→日本と渡ったもので、いわゆる欧風カレーがアレンジされたものである。インドに同等のものはない。
ラーメン
も、日本人は中華料理と認識しているが、中華料理に同等のものは存在しない。中華麺を用いた料理として、日本で独自に発展を遂げた日本の料理である。
他に、日本での洋食の定番としてオムライスやチキンライスがあるが、これらは日本生まれ洋食風料理である。
本国には存在しない料理
このようにして輸入され、日本で変化し、新たな料理となったものは数多く、中でも、国名などを冠しながら実は本国には存在しない料理もある。
冷やし中華
中華丼
天津飯
台湾ラーメン
スパゲッティ・ナポリタン
トルコライス
全て日本が由来となる料理であるが、しかし和食とは呼ばれない料理である。日本は起源を主張したがらない例とも言える。
ちなみに、トルコライスのトルコは、国名のトルコではなく、「トリコロール(3色)」や「トリオ」を意味する語である。
調味料
伝統的に使われている調味料。
さ
砂糖
し
塩
す
酢
せ
醤油
そ
味噌
以上は、「さしすせそ」と呼ばれている、和食における基本的調味料である。
だし(
出汁
)
鰹節、削り節
煮干し
昆布
椎茸
日本酒
、味醂
水飴
薬味
山葵
生姜
山椒
葱
紫蘇 (青紫蘇、赤紫蘇)
この他に、次のような洋食向け調味料が使われることもある。これらは本来の和食の素材ではないが、和洋折衷料理などで使われることがある。
唐辛子
(柚子胡椒など、九州で使われる)
和がらし (和という名だが中央アジア付近原産。小笠原地方では寿司にからしを使うらしい)
洋がらし (マスタードなど)
ソース
(ウスター、中濃、とんかつ、等。実質的に日本のもの)
マヨネーズ
カレー粉 (日本のカレーライスは日本で独自の発展を遂げたもの)
主な和食
ご飯/米料理
ご飯 ‐ 米を炊いたもの。全ての基本
麦飯 ‐ 米に大麦を混ぜて炊いたもの。とろろなどを掛けること多し
握り飯、おにぎり ‐ ご飯を握って作る携帯食
赤飯
、おこわ ‐ おめでたい席で食される
炊き込みご飯、混ぜご飯
栗ご飯(栗飯)
五目ご飯(五目飯)
山菜ご飯(山菜飯)
松茸ご飯(松茸飯)
掛けご飯
茶漬け ‐ ご飯にお茶を掛けたもの
卵かけご飯 ‐ 生卵と醤油を掛けたもの
麦とろご飯 ‐ 麦飯にとろろを掛けたもの
粥
雑炊、おじや
酢飯 ‐ ご飯に酢を混ぜたもの。そのまま食べることはなく、次のような寿司料理に使う
握り寿司(江戸前寿司)
ちらし寿司
巻き寿司
稲荷寿司
押し寿司
なれ寿司 (かぶら寿司など)
丼 ‐ 丼に盛ったご飯の上に様々な具を乗せたもの
牛丼 ‐ 煮込んだ
牛肉
と具を盛ったもの
豚丼 ‐ 煮込んだ
豚肉
と具を盛ったもの
天丼 ‐ 天ぷら(特に海老の天ぷら)を盛ったもの
カツ丼 ‐ 豚カツを盛ったもの。一般に豚カツは卵でとじてある
親子丼 ‐
鶏肉
の卵とじを盛ったもの
鰻丼 ‐ 鰻の蒲焼きを盛ったもの
穴子丼 ‐ 穴子の蒲焼きを盛ったもの
鉄火丼 ‐ 鮪を盛ったもの。元々は鮪のづけ(漬けたもの)を鉄火と言った
その他の米料理
きりたんぽ
餅
和菓子
(
団子
、など)
汁料理
味噌汁 ‐ 具を
出汁
で煮たものに味噌を加えた汁料理
すまし汁(お吸い物) ‐ 出し汁を使った
透明
な汁物
けんちん汁 ‐ 精進料理で、
根菜
などを具とした醤油汁または味噌汁
たら汁 ‐ 越中宮崎の名物料理で、地元産鱈を使った味噌汁
麺料理
饂飩
(うどん)
蕎麦
(そば)
素麺
温麺、白石温麺(うーめん)
にゅうめん
(煮麺)
冷麦
焼き料理
焼き魚
焼き鳥
鰻の蒲焼き
卵焼き
炒め料理
金平(きんぴら)
日本で一般的な野菜炒めは、元は中華料理である。
蒸し料理
卵豆腐(玉子豆腐)
茶碗蒸し
揚げ料理
天ぷら
唐揚げ
掻き揚げ
薩摩揚げ
エビフライは日本発祥の洋食、などと謎の表現をされる。後述。
煮物
「(材料名の)煮物」といったような煮物が該当する。
肉じゃが
筑前煮
鯖味噌煮
魚の煮付け
鍋料理
おでん
水炊き
しゃぶしゃぶ
すき焼き
てっちり ‐ ふぐ鍋のこと
土手鍋
鍋焼きうどん
もつ鍋
湯豆腐
刺身
刺身 ‐ 魚や肉を生で食べる料理
たたき ‐ 表面を軽く炙ったもの
づけ ‐ 刺身を出汁醤油などに漬けたもの
てっさ ‐ ふぐ刺しのこと
牛刺し ‐ 牛肉の刺身
鶏刺し ‐ 鶏肉の刺身
馬刺し ‐ 馬肉の刺身
豚刺し ‐ 信じられないことに実在するらしい
鯨刺し ‐ 鯨の赤身の刺身
練り物
魚肉練り製品
蒲鉾(かまぼこ)
竹輪(ちくわ)
はんぺん
薩摩揚げ
つくね ‐ 鶏肉などのすり身を使ったもの
つみれ ‐ 魚肉や畜肉の練り物。おでん材料の定番
和え物
胡麻和え
酢味噌和え
酢蛸
漬物
沢庵
梅干し
糠漬け
粕漬け
味噌漬け
その他の日本の料理
伝統的でないものは和食のカテゴリーに含めないが、紛れもなく日本の料理であるものとして、次のようなものがある。
焼き料理
鉄板焼きは海外でも有名。
鉄板焼き
もんじゃ焼き
お好み焼き
たこ焼き
ジンギスカン ‐ 羊肉の焼肉料理で、北海道由来
直火焼き
焼肉 (生肉を焼いて後でタレを付ける食べ方は日本由来)
中華から変化したもの
ラーメン
‐ 日本独自の麺料理。「中華麺」自体、殆ど日本の麺である
長崎ちゃんぽん ‐ ラーメンに似た長崎の麺料理
皿うどん ‐ 長崎の麺料理。揚げた麺と焼いた麺とがある
餃子 ‐ 日本の餃子は臭み消しにニンニクが入れられ、それを蒸し焼きにして食べる
天津飯 ‐ 蟹玉丼とも呼ばれるこの料理は、天津には存在しない
野菜炒め ‐
野菜
と肉を炒める一般的な日本の家庭料理だが、戦後、中華料理を簡略化して産まれたとされている
洋食から変化したもの
オムライス
カレーライス (インド→イギリス→日本)
ハヤシライス
スパゲッティ
(ナポリタンは実は日本独自。たらこ、なども日本)
フライ
エビフライ
コロッケ ‐ 日本のコロッケは、クリームコロッケから独自進化したもの
豚カツ(トンカツ) ‐
豚肉
のカツレツ
メンチカツ ‐ ミンチ肉のカツレツ
飲み物
酒
日本酒
焼酎
米焼酎 ‐ 米を原料としたもの
麦焼酎 ‐
大麦
を原料としたもの
芋焼酎 ‐
薩摩芋
を原料としたもの
黒糖焼酎 ‐
黒糖
を原料としたもの
そば焼酎 ‐
蕎麦
を原料としたもの
泡盛
茶、ソフトドリンク
緑茶
(日本茶)
煎茶(広義)
玉露
煎茶(狭義) ‐ 日本茶として最も一般的なもの
番茶
茎茶
粉茶
ほうじ茶
玄米茶
抹茶
麦茶
甘茶
甘酒
補足
様々な国のよいものを、更に改良して日本人好みにしていくのが日本人の特徴といえる。
ゆえに、世界各国の料理の改良品が日本に溢れることになるが、その際は「我が国が起源」などと言うことは決して無く、あたかも元の国の料理であるかのようにして振る舞われるため、実際に元となった国にも同様のものがあるのかと錯覚することが多い。
しかし、元の国の人は、そんな日本にしかない自国起源の料理を、日本でかなり満足そうに食べる。
ラーメンや焼き餃子は支那人を納得させ
カレーライスはインド人を納得させ
トンカツ(豚のカツレツ)はドイツ人を納得させ
スパゲッティ・ナポリタンはイタリア人を納得させた
もっとも、彼らが納得した理由は「日本料理は美味しい」なのだが。
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