蕎麦 (植物)
読み:そば
外語:fagopir/o

 タデ目タデ科ソバ属の一年草。その実を挽いて粉(蕎麦粉)にし、食品としての蕎麦を作る。
目次

情報

分類
 クロンキスト分類法では、次のように分類される。

特徴
 花期は一般的には夏。種により、春播きの夏蕎麦、夏播きの秋蕎麦などがある。
 日本では東北以南の地域では年に二回から三回の収穫が可能。

起源
 近年、支那大陸南部に野生祖先種が発見されており、蕎麦の起源は支那南部と考えられている。

需給
 日本では、北海道を筆頭に東北地方で多く栽培されており、他に甲信越、北関東などに作付けがある。
 日本での消費量の8割は輸入で賄われており、輸入元は約8割強が支那、残る1割強はアメリカやカナダなどからである。
 支那では基本的に蕎麦を食べない(後述)ので栽培は輸出用だが、単価が安い蕎麦の栽培は減少し価格が高騰しており、支那産蕎麦の輸入は減少傾向にある。

可食部

分類
 蕎麦の種子(実)が主に食べられる。
 収穫したばかりで、黒い外皮(そば殻)のついた蕎麦の実を「玄蕎麦」(玄そば)という。
 「玄蕎麦」から外皮を除いたものを「抜き実」(ぬき実)という。蕎麦の甘皮の色から薄緑色を呈する。
 「抜き実」を挽いたものを「蕎麦粉」という。
 蕎麦粉を捏ねて作る料理がいわゆる蕎麦(別名、日本蕎麦)だが、正式には「蕎麦切り」という名がある。
 「玄蕎麦」に塩を加えて煮る又は蒸して膨張させたものを干して乾燥させ、その後外皮を剥いたものを「そば米」という。信州、東北山形、四国徳島など全国各地に存在する。

用途
 蕎麦粉は、日本ではソバの原料となる。
 そば米は、そば茶や蕎麦焼酎の原料になる
 ロシアおよび旧ソ連圏や東欧など周辺国では、カーシャと呼ばれるロシア風の粥料理に使われる。
 モンゴルやチベットなどでも栽培され食べられている。
 支那ではあまり食べられておらず、いわゆる中華料理に蕎麦料理は皆無である。支那では、米が食べられない貧民の食べる粗末な雑穀という扱いをされているようである。
 蕎麦の新芽野菜(スプラウト)は、サラダに使われる。

栄養価
 健康によいとされる物質を豊富に含む。
 含まれるフラボノイドに抗酸化作用があるされている。
 その一方で、アレルゲンとしても知られており、アレルギー体質の人は注意が必要である。
 また種子や茎葉にはファゴピリン(fagopyrin)という光作用性物質が含まれており、光を受けると数々のラジカルを生じ光線過敏症を引き起こす。蕎麦の食後に強い直射日光を浴びると光線過敏症を起こす危険性があるので注意が必要である。

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