ヤードポンド法
読み:ヤードポンドほう
外語:yard pound method

 長さにヤード、質量にポンドを用いる単位系。メートル法以前に主流だった単位系である。
目次

概要
 古い単位であり、国や時代により様々な尺が使われていた。
 殆どの基準となる「長さ」についても、最後まで広く使われたものに、イギリス連邦のイギリスインチとアメリカのアメリカインチと呼ばれる二種類があった。
 両者は1959(昭和34)年7月1日から統一され「国際インチ」「国際フィート」「国際ヤード」などと呼ばれる新たな単位を作り導入した。国際インチは国際単位系で正確に2.54cmとして定義されている。

ヤードポンド法単位例
 ここでは、常用と液量のみを説明する。他に、乾量や貴金属用、薬品重量用など、同じ単位でもその大きさの異なるものが存在している。
 容積に関してのみ、英米でそれぞれ異なるので、別に説明する。
 dm3リットルと等価、cm3はccと同義である。
名称記号定義SIによる定義
長さインチInchein12line25.4mm
フィートFeetft12in0.3048m
ヤードYardyd3ft0.9144m
ロッドRodrod5.5yd5.0292m
チェインChainchain22yd20.1168m
ファーロングFurlongfurlong10chain201.138m
マイルMilemile8furlong1609.334m
重量グレーンGraingr1/7000lb64.79891mg
ドラムDramdr1/16oz1.7718g
オンスOunceoz 28.349523125g
ポンドPoundlb16oz0.45359237kg
ストーンStone 14lb6.35029318kg
ショートトンShort Tons.t.2000lb907.18474kg
ロングトンLong Tonl.t.2240lb1016.0469kg
容積ミニムMinimmin1/60dram 
液量ドラムFluid Dramfldr1/8floz3.6967cm3
液量オンスFluid Ouncefloz 29.57353cm3
液量パイントFluid Pintpt16floz0.473176dm3
液量クォートQuartqt2pt0.946353dm3
ガロンGallongal4quart3.785412dm3
バレルBarrelbl42gal158.98764dm3
ミニムMinimmin1/60dram 
液量ドラムFluid Dramfldr1/8floz3.5517cm3
液量オンスFluid Ouncefloz 28.4134cm3
液量パイントFluid Pintpt20floz0.568262dm3
液量クォートQuartqt2pt1.136524dm3
ガロンGallongal4quart4.54609dm3
面積エーカーAcreacre10chain24046.856m2
温度華氏FahrenheitF 9/5 + 32℃

現状

SIへの移行
 現在、ヤードポンド系単位は国際的に利用しないことになっていて、国際単位系(メートル法)に移行することになっている。
 が、アメリカは今も、公然とヤードポンド法を使い続けている。
 アメリカは、宇宙、例えば国際宇宙ステーションにまでインチを持ち込んでいる。

移行していない国
 未だメートル法(より正確には国際単位系)に移行していない国は、ソースが定かでないが次の三ヶ国だとされている。クイズで出題された場合はこの三ヶ国が正解になるらしい。
 アメリカでも、科学者などの一部ではメートル法を使用しているが、まだ一般への普及は進んでいない。
 後の二国は、民間でメートル法への移行が図られ、今ではヤードポンド法はほとんど使用されていないらしい。
 この国々を除く殆どの国でメートル法への移行を推進し、ほぼ完了している。

イギリス
 過去、かたくなにインチ・ポンドを使い続けたイギリスさえも、今や公式にはメートル法への移行が完了している。
 ただ、日常生活ではヤードポンド法も(まだ)使われているようではある。
 この理由は、メートル法が英国の犬猿の仲のフランス生まれという事情があった。

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