黒鉛
読み:こくえん
外語:black smoke
炭素
の
同素体
の一つ。グラファイト、石墨とも呼ばれる。金属光沢を持つ、電気の良導体である。
目次
基本情報
特徴
硬度
導電性
製法と用途
名前の由来
基本情報
組成式: C
分子量
: 12.0107(8)
比重
: (該当資料なし)
融点
: 3500℃程度
沸点
: 5000℃程度
CAS番号
: 7782-42-5(黒鉛)、7440-44-0(炭素)
ICSC番号: (登録なし)
結晶系: 六方晶系
特徴
硬度
他の炭素の同素体に
ダイアモンド
などがあるが、ダイアモンドが
モース硬度
10と硬いのに対して、黒鉛はモース硬度1〜3と軟らかく、はがれやすい。これは原子の配列が異なるためである。
ダイアモンドでは全ての炭素原子が
共有結合
で立体的に結合しているのに対し、黒鉛の共有結合は平面的なものである。炭素原子が六角形の網の目状に並んだ単層膜を
グラフェン
といい、グラフェンが層状の構造となったものが黒鉛(グラファイト)である。各層は弱い分子間力で結合している。この構造の違いから硬度の違いが生じる。
導電性
ダイアモンドの共有結合では炭素原子の持つ4つの
価電子
すべてが用いられているが、黒鉛では3つの価電子がσ軌道に入り共有結合に利用され、残りの1つはπ軌道に入っていて、このπ軌道電子が動きやすい。
このため黒鉛は電気の良導体となる。
製法と用途
黒鉛は
天然
にも多く産出するが、コークスと粘土を熱して人工的に作られることもある。
「
鉛筆
の芯」としての用途が最もありふれているが、他にアーク灯、電気モーターのブラシ、あるいは
黒鉛炉
と呼ばれる原子炉の減速材などに利用されている。
名前の由来
英名グラファイトは、ギリシャ語で「書く」を意味するγρα'φειν(gra'phein)と、ラテン語で石・
鉱物
を意味する接尾語-iteから命名された。意味としては「書ける石」といったところである。
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