天然
読み:てんねん
外語:natural
人力が加わらず、自然のままで存在すること。いわゆる、「合成」「人工」「人造」の反義語。
目次
概要
特徴
不純物
安全神話
厳しい自然
現実
天然毒
概要
天然を冠する商品などには、次のようなものがある。
天然保湿因子
天然甘味料
天然色素(
天然着色料
)
天然ガス
特徴
不純物
天然の
物質
は、その名の通り、天然に存在するものである。従って、その物質には、様々な
不純物
も含まれている。
その物質を抽出するとしても、同時に存在する不純物は除去しきれない。合成品であれば、合成経路を工夫することで不純物の発生自体を減らすことで不純物を減らすことができる。
実際の物質の
主作用
や
副作用
は知られていても、不純物の副作用などは無視されることが多いが、この不純物が良くない働きをすることもある。
安全神話
特に日本においては、天然・自然のものは安全で健康によく、人工物は危険で健康に悪い、という非科学的な定義がまかり通っている。しかしこれは事実ではない。
例えば「天然だから安心」「天然なので安全」「天然なので副作用がない」「天然なので体や自然に優しい」など表現は様々あるが、これはそれを商売にする悪徳業者が用いる嘘の宣伝文句であって、事実とは異なる。
合成着色料
や
合成甘味料
はじめ様々なもので人工物が使われているが、人工物は毒性が測られており安全な範囲内で使うため安全である一方、天然物は何が入っているか分からないので危険なのである。
厳しい自然
現実
手がかぶれてしまう漆も、昔から毒殺に使われて来たトリカブトも、天然な上に植物性であり、業者が用いる健康的なキーワードを踊らせることができるが、しかし毒物である。
ジャガイモ
の芽に含まれる
ソラニン
なども、よく食中毒を引き起こす天然物である。
鰒の毒として有名な
テトロドトキシン
も、天然の毒である。また様々な
毒茸
も天然の毒を含んでおり、毎年欠かさず死者を出しているものである。
天然毒
人類
がどれだけ努力しても、自然の力には到底敵わない。農薬や兵器用として様々な
毒物
が人類の手で合成されてきたが、しかしそれらも、最強の天然モノの毒性には未だ遠く及ばない。
何をもって最強の
毒
とするかは定義が様々であるが、「現在知られる最強」を以下に示す。
最強の毒物 ‐
ボツリヌス菌
が作る
ボツリヌス毒素
、マウスでの
LD50
は0.3ng/kg
最強の急性毒性を持つ毒物 ‐
マイトトキシン
、マウスでの最小致死量は0.17μg/kg
最強の
発がん性物質
‐ 黴が作る
アフラトキシンB1
という黴毒
いずれも、安心で安全で
副作用
がなく体や自然に優しいはずの天然物である。
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