水分を取り除いた(乾燥させた)エタノール。但し、業界によって違うものを指す恐れあり。
- 組成式: C2H5OH
- 構造式: CH3CH2OH
- 分子量: 46.1
- 比重: (該当資料なし)
- 融点: -117℃ (ICSC)
- 沸点: 79℃ (ICSC)
- CAS番号: 64-17-5
- ICSC番号: 0044
- 外観: 無色の液体で、特徴的な臭気を有する
- 溶解性:
エタノールを蒸留後、さらにマグネシウムなどを使って、(化学変化はさせずに)物理的に水分を除いたものをいう。
ただ、これを「脱水した」というと化学変化を伴った印象を受けるため、避けた方がよいらしい。
エタノールは水と非常に混ざりやすいため、空気中の水蒸気を吸ってしまい、また共沸するので蒸留では5%程度の水が残ってしまう。
この水を除くには、まず少量のエタノールに金属マグネシウム粉を入れて加温することでマグネシウムをエタノールと反応させ、ケーキ状のものを作る。
それができたら、そこにエタノールを入れ、蒸留する。
機器のデリケートな部分の洗浄剤などとして、広く使われている。
有機溶媒の乾燥にはよく金属ナトリウムが使われるが、ナトリウムはエタノールと反応するため、この目的で使ってはならない。
普通の1級エタノールは濃度95%程度、日本薬局方のエタノールは70%(残りは水)である。なお参考までに、世界最強の酒として知られるウォッカ「スピリタス」の濃度は96%である。
但しこの「無水エタノール」、業界によって違うものを指す可能性がある。有機合成の世界では、水以外のプロトン性溶媒中の反応溶媒として用いたりするため水の残量が極めて重要な問題になるが、基板洗浄などの利用ではそこまで厳密性は求められていない。
適用法令
- 消防法(危険物の規制に関する政令)
- 消防法(危険物の規制に関する規則)
危険性
- 引火点: 13℃(密閉式) (ICSC)
- 発火点: 363℃ (ICSC)
- 爆発限界: 3.3〜19vol%(空気中) (ICSC)
有害性
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: 眼を刺激する
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
環境影響
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード用語の所属
アルコール
有機溶媒
関連する用語
エタノール
無水メタノール