活性水素 (健康) |
辞書:科学用語の基礎知識 原子元素・用語編 (NELEMY) |
読み:かっせいすいそ |
品詞:名詞 |
ペテン師が好んで用いる、健康に良いらしい物質の一つ(疑似科学)。
これを摂取すると、体内で有害な活性酸素に特異的に反応し、結合して無害な水にしてくれるらしい。
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序論 |
まず、口から摂取した物質が、そのまま身体に取り込まれ、かつ組織の活性酸素の濃度を有意に変えることは、殆どない。これは、生物には外因物質による影響を受けないように恒常性の維持(ホメオスタシス)という性質を備えているからである。
ビタミンCやビタミンEなどは、摂取量が少なければ細胞に活性酸素による障害が起こることは知られており、適量の摂取が必要である(大量に摂取しても過剰症を起こす)。
しかし、活性酸素にのみ特異的に反応する物質などというのは、理論上も現実的にも考えにくい。
概要 |
そもそも、活性水素という存在自体が科学的でない。
何でも水素分子H2に対して活性水素はHなのだそうである。それはすなわち水素ラジカルであるが、水素ラジカルは極めて不安定であり、出来た瞬間に他の物と反応するため、その存在時間はミリ秒などの単位よりもはるかに短い。
巷では「活性水素水」なるものが売られているが、上記の理由により水素ラジカルが水の中に安定して存在することは不可能である。
さて、化学分野にも、一応活性水素という用語は存在する。しかしそれは水販売業界のそれとは全く関係がない。恐らく、活性酸素の反対ということで、誰かが勝手に命名したものが、たまたま活性水素だった、ということであろう。
つまり、活性水素=論外のインチキということである。
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