疑似科学 |
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質用語編 (NSUBY) |
読み:ぎじかがく |
品詞:名詞 |
科学的に見せかけながら、実際には全く科学的根拠の無い詐欺行為のこと。「ニセ科学」「似非科学」などとも。
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概要 |
病気快癒、健康によい、血行改善、若返り、ダイエット、などの薬効を謳って販売される製品が多い。しかし、現実には薬効はない。
これを「薬」として売り出すと薬機法(かつての薬事法)違反となるため、健康食品、サプリメント等、酷いものではブレスレット等のアクセサリーとして売られている。
また、病気を軽減する等の表現を使っても薬機法違反となる可能性が高いため、あくまで使用者の経験談(捏造のことも多い)としたり、病気の軽減を想起させるような表現(すっきり等)を使うことが多い。
薬ではないにもかかわらず、薬よりも効果があるように謳い、挙げ句の果てには、薬は病状を悪化させるので使うべきでなく、この製品を使うべき、というような悪徳商法(アトピービジネスなど)まで存在する。ステロイド剤や抗生物質などがターゲットになりやすく、これらの薬がおぞましい物のように喧伝し、自社製品を勧める。
検討課題 |
ニセ科学の見分け方 |
したがって良い面と悪い面の比較をしなければいけない。
大量に摂れば何でも毒だが、少量では健康に良いこともある。
テレビ番組で「発見」されたものは疑うべきである。
最低限の知識 |
難しいことを考える前に、次は知識として知っておく必要がある。
プリオンは例外。
食べて摂取しても胃腸でアミノ酸に分解されるのは蛋白質として同様。
昔から語り継がれてきている民間療法等は、効果があることもある(効かないこともある)。一方、ここ最近急に出てきたような商品は、まず疑う。これが鉄則である。
ちなみに、新しい医療行為や薬の導入に関して、日本はかなり保守的(プロ市民たちのおかげ)であるため、海外で既に認められた医療行為、薬であれば日本未認可でも効果がある可能性はあるが、本当にそれが海外で認められているかはきちんと確認しないと危険である。
実例 |
傾向変遷 |
以前は、原価がタダに近い水を適当な理由を付けて高値で売る「水商売」が流行した。
今でも無いことはないが、最近は一応健康食品を装うものが多いようである。
主なもの |
似非医療も存在する。
マイナスイオン |
現在は沈静化したようだが、一時、日本で大ブームになった。
マイナスイオンなど全く科学的根拠がないにもかかわらず、「イオン」という響きが科学的と思われたらしい。
まず科学的根拠以前に、マイナスイオンとは何かについて、誰も答えてないのが問題である。何か分からないものに効果があるかどうかなど、分かるわけがない。
むろん、トルマリンがマイナスイオンを出すことなどありえない。
コラーゲン |
女性を中心に人気があるらしいコラーゲン。
コラーゲンという横文字だと科学的に見えるようだが、実際は膠(にかわ、ゼラチン)の元である。膠は昔からある糊で、肌に薄く塗れば、ぴんと張り感が出る。このため化粧品に使われることが多いが、良くも悪くも、ただの糊である。
コラーゲンは蛋白質であり、食べれば胃腸で消化されアミノ酸に分解される。そのまま吸収されることはない。
つまりコラーゲン鍋を食べてみても、特別な効果は期待できない。消化されてしまうので、翌朝のお通じにも効果は期待できない模様。
関節痛 |
近年TV CMが異常に増えた、関節痛に効くとされるサプリメント。業者は相当儲かっているようである。言い換えれば、騙されている残念な人が多いということであろう。
こういったサプリメントはヒアルロン酸やグルコサミンなどが成分であることを謳っている。
ヒアルロン酸のような高分子は食べても胃腸で消化されてしまうため、摂取してもそのままでは吸収されない。
また、グルコサミン(ヒアルロン酸の成分)を摂取する目的がもし関節痛ならヒアルロン注射のほうが確実であるし、手っ取り早いだろう。そもそも、食べたものが関節に作用する保証はなく、仮にあったとしても、非常に緩慢な効き目に過ぎない。
リンク |
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